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社会人が救急救命士になるには?年齢制限や最短ルートを紹介

「社会人でも救急救命士になれるの?」
社会人になってから救急救命士に興味を持つ人も少なくありません。頑張って挑戦してみようと思っても、どうやったらなれるのか、社会人から目指しても大丈夫なのか心配な人も多いでしょう。
今回は「救急救命士の仕事」「これから目指す最短ルート」「社会人が目指す場合のおすすめの方法と注意点」について解説します。救急救命士を目指す人はぜひ参考にしてみてくださいね。

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救急救命士とは

救急救命士は医療機関に搬送される傷病者の処置(プレホスピタルケア)が主な仕事です。消防署や海上保安庁で働く場合は、他の職場よりも体力が必要となりますが、体力以外にも細かな仕事や命に関する重要な仕事を救急救命士は担っています。

仕事内容

救急救命士は吐血処置や脈拍測定、薬剤投与、気管挿管などを行います。かつてこれらの仕事は医師の指示がないとできない医療行為でしたが、1991年に救急救命士法が成立されたことにより、条件が揃っていれば一部の医療行為が可能となりました。さらに2021年に病院勤務の救急救命士を対象とした法改正が行われ、搬送中ではなく入院するまでと拡大されました。
つまり、「救急車内だけではない」という意味に変わり、病院勤務の救急救命士も救急救命士の業務ができるようになったのです。ただし、入院後の病棟内では特定行為等は行えないため、注意しましょう。

主な活躍場所

有資格者の多くは消防士として消防機関に勤務しています。救急救命士ではないとできない特定行為は「入院まで」しかできない法律となっているため、ほとんどの救急救命士が資格を十分に活かせる消防機関で働いているのです。
その他の活躍場所としては、「病院等の医療機関」「自衛隊・海上保安庁」「公共施設」「救急救命士養成所」があります。例えば、病院の場合は看護師資格と併用している人もいるそうです。特に救急外来や救急救命センターなら、救急救命士の知識を活かした活躍ができます。公共施設はテーマパークの常駐など警備の仕事や、介護タクシーなどもあるようですが、求人募集がでることは稀だと言われています。
ちなみに消防機関や海上保安庁、警察署、自衛隊で働く救急救命士以外を「民間救急救命士」と呼ぶそうです。民間救急救命士の方が人数は少なく、消防官として活躍したベテランの救急救命士や社会人から救急救命士を目指す人が就職先として選ぶとも言われています。

救急救命士になるには?社会人におすすめの最短ルート

救急救命士になるには3つの方法があります。それは「①救急救命士→消防士ルート」「②救急救命士のみルート」「③消防士→救急救命士ルート」の3つです。この3つの方法は社会人でもそうではなくても同じなので、さらに詳しく解説していきます。

①救急救命士→消防士ルート【20代におすすめ】

最も多くの人が選択するルートです。このルートは、高校卒業後に救急救命士養成施設(大学や専門学校)で学び、まずは救急救命士国家試験を受験します。合格後に消防官採用試験を受けて消防署で救急救命士として勤務するルートです。
消防官採用試験は年齢制限があるため、20代後半からややギリギリとなってきます。余裕を持って目指したい20代の社会人におすすめのルートですが、しっかり勉強して目指したい20代後半の社会人も諦める必要はありません。

②民間救急救命士ルート【30代以降の社会人もOK】

このルートは、高校卒業後に救急救命士養成施設(大学や専門学校)で学ぶところまでは①と同様です。その後、企業や病院の採用試験を受けて救急救命士として勤務するルートです。ただし、海上保安庁や自衛隊などの公的機関は年齢制限があるため20代後半以降の社会人は要注意!
民間救急救命士の仕事内容は、病院勤務なら救急外来での救急受入れや院内での看護補助、病院間の患者搬送、消防機関との調整業務、ドクターヘリがある場合は搭乗などの業務があるそうです。

③消防士→救急救命士ルート

最初に救急救命士養成校へは通わず後から半年ほど通うルートです。高校や大学等を卒業後、消防官採用試験を受けて「救急隊員」として5年もしくは2000時間勤務します。その後、半年ほど救急救命士養成校に通い救急救命士国家試験を受け、消防署の救急救命士として勤務します。現在、消防署で救急隊員として勤務をされている方や時間がかかっても現場経験を積みながら救急救命士を目指したい社会人に向いているルートです。
救急隊員ではない社会人が今から救急救命士を目指すなら①か②がおすすめ。③は今からだと最短で7~8年ほどかかります。社会人が①や②のルートで特に最短を選ぶなら2年制の専門学校が合っています!3年制もありますが、消防士採用試験の年齢制限や体力のことを考えると①や②のルートで2年制の専門学校への進学がおすすめです。

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社会人から救急救命士を目指すなら専門学校がおすすめ

社会人が救急救命士を目指すなら専門学校がおすすめです。おすすめの理由は5つあります。

1.入学の難易度が低い

特にAO入試や自己推薦入試は面接や作文のみで受験できます。また、一般入試も「化学基礎・生物基礎・国語から1科目」など大学入試と比較して難易度が低いです。働きながら受験準備ができるのは専門学校の強みでしょう!

2.在学期間が短い

大学は4年制ですが、専門学校は最短2年で卒業できます。年齢や体力面が気になりやすい社会人にとって2年は大きな違いでしょう。在学期間が短いからと言って、内容が薄くなるわけではありません。2年であっても救急救命士に必要な知識やスキルを専門学校なら学べます。
ただし、3年制の学校が多い為、近隣には2年制の専門学校がない可能性もあることに注意してください。

3.社会人のニーズに応えた夜間部が設置

働きながら救急救命士を目指す場合は、夜間部がおすすめです。夜間部は平日の18時や19時から授業が開始されるため、仕事を辞めなくても終業後に通えば卒業を目指せます。夜間部だと特に3年制が多くなりますが、
仕事のあとに学校へ行くことはハードに感じる人もいますが、救急救命士の就職先によっては夜間の仕事や不規則なシフトの仕事もあります。乗り越えることで得られるものは必ずあるでしょう!もしくは学校によっては15時より前に授業が終わる昼間部の学校もあるようです。そのあとに仕事をするという選択もありなので、自分に合う学校を選ぶようにしましょう。

4.資格や就職サポートが充実

救急救命士の国家試験対策や、その後に受ける消防官採用試験(公務員試験)対策もカリキュラムに組まれている学校もあります。授業は国家試験対策のみの場合でも、別途で公務員試験対策の講座がある場合もあるので、学校選びの際には資格サポートの内容も確認できるといいですね。
また、専門学校は大学以上に就職サポートに力を入れている学校が多いです。業界との繋がりが深いため、就職実績のある機関から直接求人が来ることや、先輩から直接声がかかる場合もあるそうですよ。面接対策や履歴書添削をしてくれる学校も多い為、公務員試験や病院、公的機関の面接が初めての社会人でも安心でしょう!

5.専門かつ実践的な指導を受けられる

専門学校は即戦力を目指す学校です。現場で活躍できる知識とスキルを身につけるための勉強に力を入れています。大学の場合はまだ救急救命学科が少なく、スポーツ系や保健医療系の学部で目指す場合もあります。
大学は教養科目の勉強ができる点で、幅広い知識が身に付くメリットはありますが、社会人の場合なら専門学校の方が合っている人が多いでしょう。また、現場経験豊富な講師が授業をしてくれることも専門学校のメリットです。今まさに現場で必要とされているリアルな知識や技術を教えてもらえるのも、今後働くうえで大きな力となります。

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社会人から目指す場合の注意点とは

ここまで、社会人が救急救命士になるための方法やおすすめのルートをご紹介しました。
救急救命士は、ますます必要とされる仕事です。総務省消防庁では、救急車には救急隊員が3人1組で乗車するうち1人以上は救急救命士であることを推進しているため、乗車する全員が救急救命士を理想とする消防署も増えていることでしょう。しかし、消防士として活躍する救急救命士を目指す場合、注意点がいくつかあります。最後に社会人から救急救命士を目指す上で注意したいことを解説します。

社会人の女性が目指すなら体力に注意!

救急救命士は男性のイメージが強かったのですが、近年は女性の需要は高まっています。特に患者が女性の場合、男性の救急隊員よりも女性の方が安心するからだそうです。しかし、救急車に乗れるのは基本的に消防士採用試験に合格した消防官のみのため、採用試験合格後は消防学校へ通い、消防士訓練を受ける必要があります。訓練は男女で内容が変わることはなく、全員同じ訓練内容です。

社会人の女性が救急救命士を目指す場合、特に消防官として勤務を希望する場合は今から体力づくりをしっかりしておく必要があります。

救急救命士合格=消防士も合格率UPではない

一般的なルートは「救急救命士→消防士」ですが、救急救命士の資格があるからと言って消防官採用試験に有利とはなりません。救急救命士の需要は高まっていますが、そもそも救急救命士は非常に多いと言われています。そのため新規採用枠を設ける機会も少なく、救急救命士に合格したからと言って必ず消防官として活躍できるわけではないことに注意しましょう。

消防官採用試験には年齢制限がある

消防士の試験は公務員試験です。基本的には29歳以下の方が対象となるので注意してください。ただし、すべての消防署が29歳以下ではないため、あらかじめ希望している消防署等の募集要項を確認しておきましょう!消防士ではなく、病院勤務などを希望している方も念のため募集要項を確認しておいた方が良いと考えられます。

社会人は初任給に注意!

消防士採用の救急救命士の平均年収600万円ほどです。しかし、地方公務員の区分の消防官として働く場合、初任給は高くて25.3万円と言われています。病院勤務だとさらに低いと言われているため、年齢別などの平均年収を参考にするのではなく、初任給の方がが参考になります。

特に地方公務員は勤続年数に応じて階級と共に上がっていくため、年収を上げたい人は辞めずに一つの場所で一生懸命に働くと年収700~800万円を目指すことも可能とされています。

認定資格も目指すとよい?

資格取得後に「薬剤投与認定」や「特定行為認定」「気道挿管認定」「処置拡大認定」を受ける救急救命士が多いようです。この認定を全て持っている救急救命士は認定救急救命士と呼ばれるそうで、その認定救急救命士を目指す人や各認定を取得して専門性を高める人も増えています。認定資格を持っていないと救急車内で全ての医療行為ができないのではなく、現在はプラスαの資格と認識されています。

社会人でも救急救命士になれる

今回は社会人が救急救命士になる場合の最短ルートや、専門学校がおすすめな理由、救急救命士を目指す上での注意点について解説しました。救急救命士は比較的新しい資格というイメージが強いですが、より活躍できるように2021年に法改正されました。以前よりも活躍の場が広がり、消防官としてだけではないニーズも高まりつつあるようです。

また、男性の仕事というイメージもありますが、女性患者の安心に繋がるといった理由から女性救急救命士採用を積極的に行う自治体や機関も増えています。年齢や性別で諦めることはありません。

今回の記事を参考に救急救命士を検討してみてくださいね!

この記事を書いた人

なるには進路相談室スタッフ

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