通信制大学は卒業率が低い?
多くの通信制大学は入学が簡単で、基本的には必要書類を提出するだけで入学できます。
ですが卒業は、通学制の大学よりも難しいと言われています。「通信制に進学したいけど、卒業できるか心配」という相談も多く寄せられます。
そこで今回は通信制大学の平均卒業率とその理由、また「卒業率高い通信制大学」やその特徴についてご紹介します!
平均15%…一体なぜ?
学校基本調査によると、通信制大学の平均卒業率は毎年15%程度です。
4年制大学通学課程の卒業率は約90%と言われていますから、通信制大学が極端に低いことがわかります。なぜ同じ大学にもかかわらず、ここまでの開きがあるのでしょうか。
卒業率が低い理由:単位認定試験が難しい
通学課程の場合は、いわゆる「出席点」のような、授業に参加するだけで加点される場合があります。しかし通信制大学の多くは試験が重視され、出席は評価されません。
そのためしっかりと勉強をしていたとしても、試験で発揮できなければ卒業に必要な単位を取り損ねることになります。
卒業率が低い理由:やる気の維持
通信制大学は自分のペースで勉強を進めることが出来る反面、自分次第でいくらでも怠けることもできます。
特に仕事をしている場合など、疲れている状況で勉強が進みにくいことも多いでしょう。自由が利く分、自分のやる気に左右されてしまうのです。
公表されている卒業率一覧
一部の通信制大学では卒業率を公表しています。公表している学校名と卒業率は以下の通りです。
学校名 | 出席率 |
産業能率大学 | 73.9% (※入学者の約8割を占める3年次編入学生の標準学習期間(2年間)での卒業率) |
東京未来大学 | 59.3% (※2015年3月卒業・最短年数実績) |
早稲田大学 | 60%弱 |
東京福祉大学 | 51.6% (1年次入学卒業率※在学年数4年) |
日本福祉大学 | 53.6% (※4年次在籍者平均) |
卒業しやすい通信制大学の特徴
最後に卒業しやすい通信制大学の特徴をご紹介します。
●スクーリングしやすい
通信制大学を卒業するためには「面接授業(スクーリング)やメディアメディアを利用して行う授業」を三十単位以上取得する必要があります。メディアを利用した授業も増えてきていますが、まだまだスクーリングが主流です。そのため本キャンパス以外にサテライトキャンパスが充実していたり、サテライトキャンパスで受講できる授業が充実していたりすると卒業率が高い傾向にあるようです。
●オンライン授業が充実
オンライン授業が充実している場合には、いつでもどこでも授業が受けられ勉強を習慣化しやすいです。また卒業に必要な単位試験もオンラインで受けられる場合は、社会人も仕事の調整がしやすくなります。
●学習サポート体制が充実
自分のペースで勉強できるのが通信制大学の魅力ではありますが、自分だけで学習ペースを作るのは難しいものです。そのため各校で様々な学習サポートを用意しています。自分にあった学習サポートが選べる通信制大学であれば、おのずと卒業までの道筋が見えやすくなるでしょう。
率にこだわりすぎない
卒業率を公表していない通信制大学が駄目なのかというと、決してそんなことはありません。
冒頭にも述べた通り通信制大学は入学が簡単で、また学費も安いため、毎年大勢の人が入学をしています。
途中でやる気を失くしてしまう人だけでなく、状況が変わって勉強が続けられない人もいるでしょう。卒業率にこだわりすぎると、本来の進学目的を見失ってしまいます。あくまで参考程度に、卒業後の就職などを見据えた進学が重要ですね!