af9920042095

大学へ進学か、専門学校へ進学か・・・進学率の推移からみる進学のトレンド

文部科学省の「平成28年度 学校基本調査」によると、平成28年3月の高校卒業者数のその後の進路としては、大学(短大)への進学者の割合が54.3%とおよそ半数で、専門学校への進学率は16.3%となっております。高校卒業者数の全体の約7割が大学(短大)・専門学校への進学を選択しています。それぞれの進学率の推移をここではみていきましょう。

大学(短大)への進学率の推移

平成19年(2007年)大学(短大)への進学者の割合が初めて50%を超えました。そして、平成28年まで50%以上で推移しています。今では高校卒業者の2人に1人は、大学もしくは短大に進学することが当たり前の時代になっているといえるでしょう。これは「大学全入時代」などと呼ばれており、少子化が主な要因といわれています。大学は存続の為に学生を集める必要があり、入学試験のレベルを落すなど入りやすくするしかありません。
 メリットとしては、多くの若者に大学の教育を受ける機会が与えられるようになった点があげられますが、一方で、デメリットとして、学力の差よって平等な教育活動が困難なるのではないかという問題が指摘されています。また、勉学に対するモチベーションが低い学生が増加するのではないかということも問題視されています。今後は、この「大学全入時代」「大学のユニバーサル化」に合わせた大学教育のあり方についての議論が活発化することが予想されます。

推移グラフ(大学)

専門学校への進学率の推移

専門学校への進学率の推移は、ここ数年17%から16%の間を推移しておりほぼ横ばいとなっています。興味深いのは平成16年(2004年)大学(短大)への進学者の割合が45%を超えてから専門学校への進学率は6年連続で減少しています。大学が入りやすくなったことで、高校卒業者が大学へ流れた可能性があります。また、「周りがみんな大学にいくから」という考えでとりあえず自分も大学に進学しようと考える若者が増えたとも考えられます。
 しかし、平成22年(2010年)から専門学校への進学率は増加しています。この要因は何でしょう?考えられるのは平成20年(2008年)に起きたリーマンショックによる影響です。「短期間で手に職を身に着けたい」「一生涯使えるスキルを身に着けておきたい」など、経済状況に対する不安が上昇傾向にあった大学(短大)への進学率に歯止めを掛け、専門学校への流入を増やしたのではないかと考えられます。

推移グラフ

進学先を決めるのは自分自身

大学(短大)への進学率の推移と専門学校への進学率の推移を見比べてきましたが、最終的に決めるのは本人です。どちらに進学してもメリット・デメリットはあります。また、現在の日本では雇用形態や働き方は多様化しています。どの道を選択しても必ずなにかしらの道が開けます。ただ、一つ個人的なアドバイスとしては、1つのことを極めること目標にしてみてはいかかでしょうか。例えば、調理の専門学校に進んだなら、ただ与えられたカリキュラムを消化するのではなく、「和食を極める」など明確な目標を持って、徹底的にそれに没頭するつもりで取り組んでみてはいかがでしょうか。

最後に進路に悩んでいる高校生に一言。自分の中で優先順位をつけた上で、一番いいと思った選択をするといいでしょう。未来に何が起こるか分かりませんし、過去も変えられません。
じゃあ、いつ決めるか?今でしょ!