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社会人が利用できる奨学金はある?給付金やその他の制度も解説

近年、キャリアアップやスキルアップを目指して社会人になってから学校で学びなおす人が増えています。
増えてきている一方で、「年齢的に大丈夫か」「本当に資格は取れるのか」「学費をどうやって用意しよう」など様々な悩みを抱えている人も多いです。
 
今回は、学びなおしたい社会人の学費・経済状況に注目し「奨学金」について解説します。そもそも奨学金とは何か、社会人も奨学金を利用できるのか、奨学金以外に社会人が利用できる制度はあるか…など、詳しくご紹介!
 
学びなおし・再進学を検討中の社会人はぜひ参考にしてみてください。
 

 ■目次

  1. 社会人でも奨学金は活用できる!
  2. 奨学金とは?日本学生支援機構と学校独自の制度を解説
  3. 社会人必見!教育訓練給付金って?
  4. 社会人がほかにも利用できる制度、選択肢を解説
  5. まとめ:社会人も奨学金は借りられる!

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社会人でも奨学金は活用できる!

社会人も奨学金制度を利用できます!
 
奨学金は現役で進学するときにしか使えないと考えている人も多いですが、実は社会人も奨学金制度は利用できます。
 
ただし、奨学金によって条件があり、場合によっては借りれないこともあります。事前に自分の状況が利用できる条件を満たしているのか、いくらくらい借りれるのか、返済が必要か、返済はいつまでか…などを確認しておきましょう!
 
また、奨学金を返済中の社会人も日本学生支援機構で「再貸与制度」などを利用して借りれます。しかし、こちらも条件があり、全員が絶対に借りられるわけではありません。さらに社会人が日本学生支援機構の奨学金を活用する際は、在学する大学を通じて申請することとなります。つまり、入学金は奨学金以外の方法で用意する必要があるのです。
 
利用する奨学金や給付金が、どのタイミングで入金されるのかをチェックしておかないと入学金が払えなくなります。入学金が払えなければ、学校はあなたが「入学する意思がない」と判断してしまうので、必ず入金時期の確認や入学金の確保はしておいてくださいね。
 
このように条件や借りられるタイミングなどはありますが、多くの社会人は奨学金制度を利用できます。
 

奨学金とは?日本学生支援機構と学校独自の制度を解説

奨学金のほとんどは「日本学生支援機構の奨学金」をイメージしている人が多いです。ここでは、日本学生支援機構と学校独自の奨学金を解説します。
 

■日本学生支援機構

日本学生支援機構の奨学金には大きく分けて「給付型」と「貸与型」の2種類です。貸与型は第1種奨学金と第2種奨学金にも分かれており、それぞれ借りられる条件や額が異なります。
 

(1)給付型

給付型の一番の特徴は「返済不要」。借りるのではなくもらうこととなります。給付型は2020年スタートの新しい奨学金制度で、まだ知らない方もいらっしゃる場合もあります。給付型ができた背景には「経済的な理由で学ぶことを諦めないように」というものがあり、世帯収入や学習意欲、そのほかの条件により給付額が決定します。
 
しかし、多くの社会人はこの奨学金は利用できません。高校卒業後2年以内の人が対象となる為、この条件に当てはまった上で世帯収入や学習意欲、その他の条件も認められれば社会人も給付を利用できるでしょう。
 

(2)貸与型

貸与型は返済の必要がある奨学金。利子が付かない「第1種奨学金」と利子付きの「第2種奨学金」があります。
 
<第1種奨学金>
・返済義務あり
・利息無し(無利息)
・学業成績と世帯収入の基準が厳しい
 
<第2種奨学金>
・返済義務あり
・利息あり(在学中のみ無利息)
※利率計算は2種類から選択
・学業成績と世帯収入の基準は緩い
 

第2種奨学金の大学等の貸与額(借りられる金額)は月額2~12万円(1万円刻み)で選択できます。この金額は専門学校や短大も同じです。
私立の医・歯学の場合は4万円の増額、私立の薬・獣医学の場合は2万円の増額が可能です。大学院の貸与額は5万、8万、10万、13万または15万。法科大学院の法学の場合は、上限の15万円に4万または7万の増額ができます。このように学ぶ分野によっては多く借りることもできるそうです。
 

貸与型奨学金のことをまとめると、借りる難易度は厳しいけれど、返す金額は借りた額のみが「第1種奨学金」で、借りる難易度は緩いけれど、返す金額は借りた額に上乗せされるのが「第2種奨学金」と覚えておくといいでしょう!そして多くの社会人は「第2種奨学金」が対象のようです。
 

■貸与型の注意事項

奨学金の申し込みは「在学採用」「予約採用」の2パターンがあります。多くの社会人は「在学採用」で申し込みます。予約採用の対象者の多くは現役高校生で、高校を通じて申し込む形となるからです。また、第1種奨学金は高校の評定平均も基準となることから、多くの社会人は第2種奨学金に申し込むことになります。そもそも第1種奨学金は借りられる人数(採用枠)が少ないため、第2種の方が借りられる望みが高いようです。
 
在学採用の奨学金は、申し込みの締め切りが学校ごとに異なる為、奨学金希望の社会人の方は入学後すぐに学生支援課等で確認してください。
 

■学校独自の奨学金

日本学生支援機構の奨学金は多くの学校で利用できますが、なかには利用できない場合や特定の学部やコースは利用できないということもあるようです。そのような場合、学校独自の方を活用するという選択もあります。今回は例をあげて、大学と専門学校の奨学金制度について簡単に解説します。
 
<日本大学独自の奨学金>
日本大学は「大学独自(給付/貸与)」と「学部独自(給付型)」があります。例えば大学独自の給付型奨学金では、特待生や創立記念、開学に携わった方の功績や基金を基に2022年11月現在で7種類の奨学金があるようです。また、学部ごとの奨学金も各学部3種類以上用意され、社会人を含め多くの学生にチャンスがあることとなります。
 
<早稲田速記医療福祉専門学校の奨学金>
ワセダ奨学金という独自の奨学金や、学びなおし・再進学奨学生に対する社会人向けの奨学金が用意されています。そのほかにも「卒業生・在校生親族学費減免制度(家族)給付額」や「双子・兄弟姉妹同時入学免除制度」など、学びたいあらゆる人に向けた奨学金制度が用意されています。
 
<創造社デザイン専門学校の奨学金>
創造社は2人に1人が再進学者。つまり社会人や大学生などです。その理由の一つは、奨学金制度の支給区分の一つに「主な収入がアルバイト報酬。奨学金・教育ローンを貸与中。扶養家族を有する者」など社会人や大学生、フリーターが当てはまる基準があること。そして「専門実践教育訓練給付金制度」対象講座があることです。専門実践教育訓練給付金制度については次で詳しく説明しますが、「なるべく社会人が多い学校がいい」という方はこのような制度の対象校を選んでもいいですよね。
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社会人必見!教育訓練給付金って?

社会人なら、奨学金制度以外に「給付金」を利用している人もいます。
厚生労働省による「教育訓練給付制度」は、社会人の学ぶ意欲やキャリア形成の支援、雇用安定や就職促進のために始まった制度です。この制度は、社会人であれば誰でも受けられるのではなく、厚生労働省指定の講座を受講した人のみとなります(事前申請は必要です)。また、給付の種類も種類ある為、ここでは各給付の解説をしていきます。

■専門実践教育訓練給付

・特に業務独占や名称独占資格の取得を目標にする講座が多い
・受講開始時点で雇用保険の被保険者であった期間が3年以上(初めての支給は2年以上)などの条件がある
・受講費用50%(年間上限40万円)が訓練受講中6か月ごと支給
・資格取得かつ、訓練終了後1年以内に雇用保険の被保険者として採用された場合、受講費用20%(年間上限16万)が追加支給
・失業中の方が初めて利用し、受講開始時に45歳未満の場合は、別途で教育訓練給付金が支給

社会人の多くが関心を寄せている給付金です。厚生労働省によると最も多い講座は「介護福祉士、看護師、美容師、社会福祉士、保育士、歯科衛生士など」の業務独占・名称独占資格を目指す講座。それもすべての講座ではなく、指定された専門学校等の講座のみです。

次に多いのは、「商業実務、衛生、工業など」の職業実践専門課程及びキャリア形成促進プログラムの講座。そして、「AI、データサイエンス、セキュリティなど」のスキル習得講座です。社会人でこれらの学びに関心のある人は、奨学金だけではなく給付金も検討してみてください。

■一般教育訓練給付

・厚生労働大臣指定の講座を受講
・受講開始時点で雇用保険の被保険者であった期間が3年以上(初めての支給は1年以上)などの条件がある
・4000円を超える教育訓練経費の20%(上限10万円)を講座受講後に支給
・支給期間は最長1年間

■特定一般教育訓練給付

・再就職や早期キャリア形成のための教育訓練が対象
・受講費用40%(上限20万円)が訓練終了後に支給
・受給には「訓練前キャリアコンサルティング」が必須

自身の住む地域にあるハローワークで書類を提出すれば手続きできます。受給資格の有無もハローワークで確認できるため、気になった方はハローワークへ行ってみましょう。

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社会人がほかにも利用できる制度、選択肢を解説

日本学生支援機構の奨学金や学校独自の奨学金、教育訓練給付金制度以外にも活用できるサポートはあります。どれが自分に合うかを知るためにも他のサポートや制度についても知っておくことは大切です。

・看護師等のための奨学金(看護師等修学資金)
看護師等養成施設に在学し、将来その奨学金を借りた地域で働く医師のある人が借りられる奨学金です。基本的には貸与型で返済の必要がありますが、地域によっては対象施設で5年間勤務すると返済免除というところもあります。

・介護福祉士の奨学金制度(介護士修学資金等貸与制度)
介護士の資格取得を目指し、厚生労働大臣指定の施設やに在学する人が対象の奨学金です。厚生労働省によると、卒業後に介護福祉士として業務に5年間勤務することで返済が免除になります。また、社会福祉士にも同様の制度があるようです。

・地方公共団体や民間団体の奨学金
地方公共団体の奨学金は、地域の出身者や地域にある大学に進学する人が対象の制度。大学を通して申し込む場合もあれば、自分で直接申し込む場合もあります。民間団体は、大学の奨学金として手続きを全て大学で行う場合もあれば、給付型で返済不要の奨学金制度を設けている企業などもあるようです。

・教育ローン
特に銀行が社会人向けの教育ローンプランを作っています。社会人の学びたい意欲にこたえるための習い事や留学などにも使えるローンもありますが、すべての学校で適用されているわけではないので、借りる前にローンの対象校かどうかを確認しておきましょう。また、奨学金もですが教育ローンにも審査があるため収入が低すぎても高すぎても社会人は審査に通らないことがあるようです。

教育ローンは奨学金と併用して借りられるので、入学金は教育ローン、学費や生活費は奨学金と分けてもいいですね!

・その他の選択肢
学費の安い通信制大学や専門学校、社会人向けのスクール、社会人入学制度のある学校に通うのも学費を抑えるための選択肢の一つ。学費を理由に進学をあきらめないためにも、安い学費の学校から選ぶという方法もありでしょう。比較的安い学費の学校に行き、奨学金も借りることで在学中の負担は軽減されます。一時的に少しでも学費を抑えたい人は検討してみてくださいね。

日本学生支援機構の奨学金は給付は返済不要ですが、貸与型は返済が必要です。ほかの制度も検討しながら、在学中や卒業後に負担のないようしっかり計画を立てて借りるようにしましょう。

まとめ:社会人も奨学金は借りられる!

今回は社会人が奨学金を借りられるのか、借りられる奨学金はどれか、奨学金以外に社会人が利用できる制度はあるのかなどを解説しました。多くの社会人が利用できる奨学金は「在学採用」の「第2種奨学金(利子付き返済必要)」です。条件を満たさなければ借りられませんが、給付金と異なり、講座が限られることはありません。教育訓練給付に該当しない分野を学びたい社会人は諦めずに、奨学金や各種サポートを活用しましょう!

しかし、すべての社会人が奨学金を利用できるわけでもないので、まずは自分が利用できるかを確認してください。確認は収入などの基準もあるため、JASSOのサイトなどの活用をおすすめです。

また、返済必要の奨学金を借りる場合は返済計画をしっかり考えることも必須です。一ヵ月にどのくらい返済すれば生活が苦しくないか、返済し終えるまでに何年かかるかなど現実的な話となりますが、奨学金を活用するには返済計画は必要不可欠な問題なのでよく考えてくださいね。

経済面に不安や心配があっても活用できる制度を使って、学ぶことを諦めず再進学しましょう!

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この記事を書いた人

なるには進路相談室スタッフ

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