受験で全落ちしてしまった方の中には、「大学諦めて専門学校に行こうかな」と検討している方もいるのではないでしょうか。
進学校に通っている場合、大学諦めて専門学校という選択肢はマイナーで、「大学諦めて専門学校にいくのは恥ずかしい」と感じる場合もいるかもしれません。しかし、実は大学受験に失敗した方の中には毎年一定数、大学諦め専門学校へ進む方はいます。
この記事では「大学受験に失敗した時の次の選択肢」「大学諦めて専門学校を選ぶメリットと注意点」「大学諦めて専門学校への進学が向いている人の特徴」を解説します!
受験に失敗し、大学諦めて専門学校へ行くか検討中の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
大学受験に失敗した時の選択肢
受験に失敗すると気持ちが大きくへこんでしまうことも多いでしょう。しかし、大学受験は人勢の中の挫折の一回にすぎません。
落ち込めるのは自分が頑張って来たからだとプラスにとらえ、少し気持ちが落ち着いたら次に取るべき行動を考えるのがおすすめです。
ここでは、過去に受験全落ちを経験した先輩たちがどのような選択をしたのかをご紹介します。
①浪人する
大学受験に失敗した場合、浪人するという選択肢があります。
どうしても入りたい大学があり、他の大学や大学諦めて専門学校へ行くという選択肢を選びたくない場合には、もう1年頑張ってみるのも良いでしょう。
しかし、家で黙々と独学で浪人をするには孤独な戦いになりますし、予備校に通うには高額な費用が掛かります。
さらに現役の高校生の頃以上に周囲からの期待やプレッシャーがかかってしまうので、慎重に判断するのがおすすめです。
また、浪人をしても確実に大学受験に合格できるわけではありません…。
諦めたくない気持ちは分かりますが、「1浪してダメなら大学諦めて専門学校」というように期限を決めて臨むのがオススメです。
大学全落ちではなく、滑り止めには合格していた場合、滑り止めに進学しながら受験勉強もする仮面浪人という方法も。
成功しても入学金と1年分の学費が余分にかかる・滑り止め大学での学習や人間関係がおろそかになるなどのデメリットも多くありますが、万が一失敗したら多浪はやめてそのまま2年生になれるというメリットがあります。
いずれにせよ、浪人は多額の費用や精神的な負担がかかるので、親子でよく話し合いをしたうえで決断してください。
②専門学校に進学する
大学諦めて専門学校というのも、多くの方が選んでいる選択肢。
「なんとなく大学を目指していた」という人や、「特定の業界への就職を目指している」という人には大学諦めて専門学校の選択はオススメです。
専門学校の強みは就職というゴールを目指し、専門分野に特化した技術&知識を身につけ、卒業するころには即戦力の人材になれること。
各業界の企業との関りも強いことで直に求人がきたり、就職サポートもしっかりしていたり、就職をゴールを見据える人にとっては、大学諦めて専門学校の選択肢は魅力的といえます。
また、専門学校から有名大学への編入を目指す人も多いです。
語学系やビジネス系の専門学校には、就職を目指すコース以外にも、大学編入を目的としたコースがあります。編入実績のある専門学校であれば十分に勝負できるので、大学諦めて専門学校を選んだ後でも、憧れの学校の大学生になれる可能性は残せるのです。
もちろん、途中でやっぱり就職したいと思った場合には、そのまま手厚いサポートを受けて就職…というのがOKなのも、専門学校のおすすめポイントになっています。
③就職する
大学受験に失敗したらそのまま働く人もいます。しかし、高卒向けの求人は3月時点ではもう締め切られている場合が多いので、正社員以外の雇用形態での就職となる場合が多いです。
そもそも、大卒や専門学校卒と比べ高卒での就職は待遇面が悪かったり、そもそも求人が少なかったりすることも。もう一度チャレンジするために学費を貯めるためや、通信制大学などで学びながら働くために一時的にアルバイトをするというのはアリです。
しかし、そのまま腰を据えるつもりであれば、できれば大学諦めて専門学校で手に職をつけてからの就職がオススメです。
④留学する
今はグローバルな人材が求められるので、大学受験に失敗したら留学し、海外の大学を目指す人も。しっかりと語学力をつければ、帰国後に十分活躍できるでしょう。
しかし、せっかく留学しても海外の大学に入学して卒業できないと最終学歴は高卒のままになります。
高卒のままだと応募できる求人が限られてしまうので、リスクのある選択かもしれません。
留学や語学力をつけることだけが目的なら、語学系の専門学校でも目的を達成できます。自力での留学も魅力的ではなりますが、莫大な費用が掛かってしまうので、大学諦めて専門学校で語学を学び、専門学校の留学プログラムに参加するという選択を検討してみてはいかがでしょうか。
大学諦めて専門学校を選ぶメリット
全落ちし、受験に失敗してしまった人におすすめなのが「大学諦めて専門学校」の選択肢。
ずばり、大学諦めて専門学校を選ぶメリットは、「就職するための知識・技術が身に付くこと」と「大学への編入を目指せること」「大学受験が終わった後でもまだ間に合うこと」。
「浪人は経済状況的に厳しいけど、高卒のまま就職は選択肢が狭すぎる」という方や、「就職のためになんとなく大学を目指していた」「何とかして大学に入りたいけど、浪人はできない」という方は、ぜひ検討してみてください。
①専門学校は就職に有利!
専門学校は、特定の業界や職種を目指すために技術や知識を学べる学校。入学時は初心者でも、卒業して社会に出るころには現場の即戦力を目指せます。多くは2年制ですが、目指す職種によっては3・4年制のコースもあります。
専門学校といえば、調理師や美術系などの専門職をイメージする方が多いかもしれませんが、実は公務員系やビジネス系・情報系など仕事に直結するような分野も存在します。
さらに、業界との結びつきも強いので、就職サポートが手厚く、就職率が高いという特徴も。
やりたいことがあったわけではないけど、就職のために大学へ進んだという人は、大学諦めて専門学校へ進むことでむしろ近道になる場合もあるかもしれません。
②大学への編入学も目指せる
先述の通り、多くの人は専門学校=就職のイメージを持ってると思います。
しかし、中には大学編入を目指すことを目的としたコースを持つ専門学校も。
「大学編入は1年次入学より難しい」というようなうわさもありますが、専門学校の編入を目指すコースでは大学編入に特化した学びができるので勉強のコツが身に付いたり、英語力もつけてから試験に臨めたりするので、通常の編入よりもハードルを下げて挑戦が可能です。
どうしても諦められない大学があるけど、浪人はできない場合も大学諦めて専門学校の選択はオススメです。
③3月末まで受験が可能な専門学校も!
AO入試など、推薦系の入試の受付が終わってしまっている場合は多いものの、一般入試であれば3月まで受験できる専門学校もあります。
滑り止めを受けても合格が出ず、入学先が決まらない場合には大学諦めて専門学校の選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
特定の分野に関する技術・知識を深めたり、編入を目指したりと専門学校への進学は色々な将来に繋がりますよ。
大学諦めて専門学校を選ぶ注意点
大学諦めて専門学校の選択は、浪人よりも確実性があり、高卒のまま就職のよりも可能性を広げられます。
しかし、大学諦めて専門学校へ進む場合注意すべき点も。
①大学よりも忙しい。
大学は4年制なのに対し、専門学校の多くは2年制。しかし、卒業に必要な単位数はさほど変わりません。つまり、大学の半分の時間で、同程度の学習をすることになるのです。
大学が必修以外は自分で好きなように履修登録ができるのに対し、専門学校は高校までのように時間割があり、それに出席するような形になります。
コツコツ勉強をするのが好きでない場合、大学諦めて専門学校の選択は注意が必要です。
②一般教養科目は学ぶ機会が少ない
大学は一般教養科目+分野の専門科目というような構成で学ぶのに対し、専門学校はより分野を絞って専門的な内容に特化して学ぶカリキュラムになっています。
分野について専門的に学べるのは利点でもある反面、教養科目を学びたい方にとっては大学諦めて専門学校の選択は、満足できない要因にもなるかもしれません。
③専門分野以外への就職は不利になる
また、専門学校は1つの分野に特化して学ぶので、専門分野の業界以外への就職は不利になる傾向があります。また、勉強も同じことを学び続けるので、しっかりと目標を定めてからの入学がオススメです。
絶対に別分野へ就職できないというわけではないものの、しっかりとデメリットとして理解しておくと安心です。
大学で勉強しながらやりたいことを見つけようと思っていた方は、大学諦めて専門学校の選択は悪手になりかねないので要注意と言ってよいでしょう。
専門学校への進学が向いている人の特徴
最後に、大学諦めて専門学校の選択が向いている人の特徴をご紹介します。
①就職が最終目標の人
大卒でなければ就職できない企業や職種を希望している場合、大学を目指さなければなりません。
しかし、大学・専門学校両方から目指せる仕事も多くあるので、専門学校からでも目指せる職種であれば、大学諦めて専門学校の選択はアリです。
大学より2年早く社会に出られることで、早くから経験を積めるのも利点となる場合もありますよ!
②経済的に浪人は難しい人
経済面で厳しいけれど、高卒のまま働くのを避けたい人にも、大学諦めて専門学校の選択はおすすめです。
専門学校は2年間の場合も多いので、大学より費用を抑えることが可能ですし、卒業すれば最終学歴は専門学校卒となるので、就職の選択肢も広がります。
専門学校を卒業することで編入資格を得られるので、自分で学費を貯めてから再挑戦することも可能です。
また、1年間予備校に通い浪人して4年制大学を出るよりも、編入コースのある専門学校を出て大学編入を目指す方が経済的にも時間的にも負担が軽くなる可能性が高いです。
③目標を明確に定められる人
「資格を取り就職」「専門学校から編入を目指す」など、大学諦めて専門学校の選択をする場合、明確な目標を持つ必要があります。
「どんな資格を取り、どんな仕事をするのか。」「どんな大学を目指したいのか。」自分の中の目標は明確であればあるほど努力できるはずです。しっかりと気持ちを切り替え次に向かえる方なら、大学諦めて専門学校の選択はきっと将来を切り開く進路となるでしょう。
大学受験に失敗しても、専門学校がある!
受験に失敗しても、人生は終わりではありません。
専門学校では就職はもちろん、大学編入も目指せるので、入学後もご自身の目標に合わせた進路選択が可能です。受験終了後でも、3月まで出願が可能な専門学校もありますから、大学諦めても今年度の進学を諦める必要はありません。
浪人する余裕や気力はないけど、そのまま就職するのではなく、進学したい!という方は、専門学校という選択も検討してみてくださいね。