専門学校とは
専門学校とは高等学校卒業程度の学力が入学資格になっている、専門知識を身につけたり各種の職業に対する実践的な職業教育を行う教育機関のことです。教育を受ける期間は1年以上になっていて、1年で終わるところもあれば数年をかけて授業をするところもあります。最長の期間は基本的に4年とされます。就職に役立つ知識や技術を得られることから就職を目指す人が多く通います。ただし2年以上専門学校に通い、1,700時間以上の授業時間を経て専門士と呼ばれる卒業資格を取ると大学への編入も可能です。そのため高校卒業資格を得た後これらの学校を経て大学に編入するという人も多くなっています。
短期大学との違いが分かりにくいとされる場合がありますが、内容や選び方で異なっています。短期大学では幅の広い教養を身につけて、実生活やあるいは就職に役立つ能力を育成するため、一般教養の授業の占める割合が高くなっています。専門学校は専門知識や実技を磨く側面が強く、その仕事における即戦力を育成していると言えます。また、短期大学は大学と同じく単位を取得することで進級・卒業していきますが、専門学校は必要な授業時間が決まっています。さらに、短期大学は一般職への就職も多いのに対し、専門学校は専門職に就職することが多くなります。
入試に関しては、専門学校は書類と面接で決定する場合が多く、学問としてのテストを課さなかったり学力をそれほど重要視しないところも多いという傾向があります。短期大学も推薦入試の割合が多い傾向にはありますが、専門学校の方がより書類や面接に重きを置いているところが多いです。
専門学校の種類
専門学校はまず設立者ごとに国立、公立、私立に分けられます。また1年から4年間の学ぶ期間によっても分かれます。その他の分け方は大変細かくなっており、どんな職業を目指すのかによってITや情報処理からファッション、農業にいたるまで幅広い専門学校が存在し選び方が難しくなっています。
特に数が多いのが医療系の学校と美容系の学校です。医療系の学校には医療機関で働く看護師になるための看護科、養護老人ホームや障がい支援などに携わる介護福祉士・社会福祉士になるための福祉科、子どもの成長や教育に関わる保育士・幼稚園教諭になるための保育科などの専門コースがあります。美容系の学校では美容師やスタイリストを目指すための専門コースがあったり、メイクやファッションが学べるファッションデザイナーやアパレルデザイナーになるための専門コースがあります。特にこういった医療系や美容系の専門学校では複数のコースがひとつの学校に置かれている場合が多く、時には他のコースの人と交流を持ったり、同じ教室で学んだり意見交換をする機会もあります。
最近ではサービス系の学校も人気が高くなっていることから、サービス系の学校がまとまっていることもあります。旅客機の客室乗務員などの航空業界に関わることが学べるエアライン科や、伝統的なホテル・外資系ホテルへの就職を目指すホテル学科、ブライダルプロデュースを行える勉強ができたりウエディングプランナーを目指せるブライダル学科といった専門コースが備えられています。
専門学校の選択
職業の種類の多さを再認識するほど専門学校は多様化しています。選び方の基準としてはやはり、今後就きたい職業から選ぶのが一般的になっています。専門の職業に就く方法を実践的に学ぶ場所ですから、将来に役立てることを念頭に置くことが基本になります。特に都会では学校数も多く、人気の職種では複数の専門学校から選択しなければならない場面も出てきます。その際にはさらに学校自体の具体的な場所や大きさ、特に力を入れている内容といったこともよく見なければいけません。
実際に学校を選択する際にはどうしても場所が重要になってきます。自分が通いやすい場所から選ぶこともできますが、就職に有利な場所を選ぶことも大切です。学校の中には就職の相談に乗ってくれるところも多いですが、どうしても知識はその学校のある地域に偏る傾向にあります。よりしっかりと就職を見据えるのであれば、自分が就職を考えている地域にある学校を選ぶという方法も取ることができます。通学する際にはやはり交通の便も関わってきますし、家からの距離も考えなければなりません。あまりに遠い所では授業に支障が出てくることもあるので、そちらの兼ね合いも考えましょう。また定期代が高くなったり一人暮らしをする必要が出てくるなど、金銭面の負担にも関わりますので注意が必要です。就職先についても就学前に今一度考えておくと、学んでいく上でも役立ちます。
学校によっては実技の面で差が出る場合もあります。機械の有無や数などで学ぶ機会が減る可能性も考えられますので、学校の大きさや機材の内容や数にはよく注意しましょう。さらに力を入れていることも学校によって様々です。コースはあるけれどまだ充実していない、教員の質が偏っていることなどはあり得ます。下調べをよくして自分の学びたいコース、自分の学びたい内容が充実しているかを確認することが大切です。