通信制大学で公認心理師を目指す【2026年版】対応の大学や注意点を解説

「働きながら公認心理師を目指したい」

社会人から公認心理師を目指すとき、選択肢の一つになるのが通信制大学です。

結論からいうと、通信制大学からでも公認心理師を目指すことはできます。ただし、ここには大きな注意点があります。

通信制大学を卒業しただけでは国家試験の受験資格は得られません。またオンラインのみでは必要なカリキュラムを満たすことはできません。他にも注意すべき点や確認しておきたいことがあります。

この記事では、2026年現在、公認心理師のカリキュラムに対応している通信制大学と、それぞれの実習・選抜の違い、その後の進路を詳しく解説しますので是非参考にしてみてください。

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通信制大学でも公認心理師を目指せる

心理職では唯一の国家資格である公認心理師ですが、実は通信制大学でも目指すことができます。まずは公認心理師になるための条件を確認していきましょう。

<公認心理師になるための必須条件>

国家試験である公認心理師試験に合格することが必須の条件です。

公認心理師試験に合格した後、文部科学大臣・厚生労働大臣の指定登録機関にて公認心理師の登録を申請し、公認心理師登録証が交付されることで公認心理師として働くことができます。

受験資格得るためには

公認心理師試験に合格することが必須となる公認心理師ですが、試験を受けるための条件があります。これから学ぶ方には大切なことになりますので、一緒に確認していきましょう。

公認心理師試験の受験資格を得るためには、以下の①、②の両方を満たす必要があります。

① 公認心理師になるために必要な科目を開講している大学等で、指定された必要な科目と実習を修了する

② 「大学院で公認心理師になるために必要な科目と実習(450時間以上)を修めて修了」または「文部科学省・厚生労働省令で定める施設において指定の行為の業務に2年以上従事」する

既定の科目を修了し大学を卒業した後、「大学院に進学する」または「施設で業務に従事する」が必須の条件となりますので、こちらを視野にいれて長期的に計画をたてていきましょう。

通信制の大学から公認心理師を目指す流れ

上記の①公認心理師になるための必要な科目を開講している大学の中に、通信制大学も存在します。これが通信制大学でも公認心理師を目指せる理由で、資格制度そのものは上記の通学制の大学と同じです。

まず通信制大学で、公認心理師に必要な25科目を修めて卒業します。この中には「心理演習」と80時間以上の「心理実習」も含まれます。

その後、

大学院で必要な10科目・450時間以上の心理実践実習を修める

または

国が認めるプログラム施設で2年以上の実務経験を積み、所定のプログラムを修了する

という段階を経て、受験資格を得て公認心理師国家試験を受験するという流れです。

※実務経験は、文部科学大臣・厚生労働大臣が認定する特定の施設で所定のプログラムを修了する必要があります。

通信制大学で学んだから公認心理師になれるわけではなく、公認心理師の大学段階での受験資格の要件を通信制大学で修了し、次のステップへ進む必要があるので、その先を見据えて進路を考えていくことが大切です。

2026年に公認心理師を目指せる通信制大学は?

2026年現在、公認心理師に必要な大学での必修カリキュラムを学べる通信制大学は4校あります。

私立大学通信教育協会では、聖徳大学・東京福祉大学・京都橘大学を公認心理師対応の通信制大学として掲載しているほか、放送大学も公認心理師のカリキュラムを実施しています。

公認心理師カリキュラムを学べる通信制の大学4校を紹介

それぞれの通信制大学をご紹介します。

聖徳大学 通信教育部

聖徳大学の通信教育部では、心理学科で公認心理師の指定カリキュラムを履修することができます。

中でも特徴的なのが心理実習です。公認心理師を目指す場合、80時間以上の心理実習が必要なのですが、聖徳大学では事前・事後学習に加え、医療施設で8日程度の実習を行うことができます。

実習先は、原則として学生自身が施設を探し、大学側は学生が開拓した実習先への巡回指導などを行っています。(※心理実習を行うためには指定科目の修得やGPA2.5以上などの条件があります。)

実習先を自分で探す必要はありますが、遠方に住んでいる方でも自宅から通える実習先を見つけられる可能性があります。

3年次編入にも対応しているため、すでに大学・短期大学等を卒業している社会人にとっても検討しやすい大学の一つです。

聖徳大学 通信教育部

スクーリング開催地:千葉県松戸市
特徴:社会人が学びやすい土日のスクーリング日程もある心理・福祉学部の心理学科。公認心理師に対応したカリキュラムが充実し、卒業生はどんどん大学院に進学しています。大学院受験対策の支援など万全のサポート体制も魅力。


京都橘大学 たちばなエクール

京都橘大学の通信教育課程「たちばなエクール」では、総合心理学部で公認心理師を目指せます。

公認心理師を目指す場合には「心理演習」「心理実習」の対面スクーリングが必要です。心理演習は受講定員30名。希望者が定員を超えた場合は選考試験が行われます。

大学によると、近年の選考倍率は約2倍~5倍で、上昇傾向とされています。心理実習についても定員は30名で、年間20~25日程度。原則として平日に実施されます。

学外実習は医療・司法・教育・福祉分野で7~12日程度、さらに大学での事前・事後指導が10~15日程度あります。

社会人の方は「オンラインで学べるか」だけでなく、平日の実習に参加するため仕事を休めるかまで考える必要があります。

また、3年次編入はできますが、公認心理師の学部要件を満たす場合は最短3年間と案内されています。「3年次編入=あと2年間」と思い込まないよう注意しましょう。

東京福祉大学 通信教育課程

東京福祉大学では、通信教育課程の心理学部心理学科で、公認心理師に必要な大学段階のカリキュラムを履修できます。

心理実習は80時間以上必要です。

東京福祉大学の大きな特徴の一つは、大学卒業後の選択肢として通信教育課程の大学院も設置されていることです。

大学院心理学研究科臨床心理学専攻には公認心理師養成に対応したカリキュラムがあり、通信教育課程ではスクーリングや実習を行うことができます。(公認心理師に必要な心理実践実習は450時間以上です。)

大学から大学院まで通信での学びを組み合わせて進みたい人にとっては、卒業後まで含めて検討しやすい選択肢の一つです。

放送大学

放送大学でも、公認心理師の大学段階のカリキュラムを履修することができます。

全国から学習しやすい大学ですが、公認心理師を目指す場合に必ず知っておきたいのが、「心理演習」「心理実習」の選考です。

募集定員は30名で、放送大学が公表している選考状況では、

2025年度:541人/18.0倍
2026年度:455人/15.2倍

となっており、15倍を超えています。

そのため、「放送大学に入れば公認心理師の大学段階の要件を必ず満たせる」と安易に考えずに、しっかり確認していくことが大切です。公認心理師を目標に入学する場合は、心理演習・心理実習の選考があることを理解したうえで進路を決めましょう。

公認心理師の大学でのカリキュラムを修得できる通信制大学をご紹介いたしました。どの学校にも共通して言えることは、心理演習・心理実習の時間が必須で、スクーリングや実習時間を確保する必要があるということです。その点を踏まえて、ご自身に合う通信制大学を選んでいきましょう。

学校を選ぶときは「実習」を最優先で確認しよう

通信制大学など進学先を検討する際、どうしても「学費」「オンライン授業」「スクーリングの少なさ」に目が向きがちです。

しかし、公認心理師を目指す場合は、それ以上に重要なのが心理演習・心理実習です。

通信制大学によって、

・選考試験がある
・成績条件がある
・実習先を自分で探す
・大学指定の実習先へ行く
・平日の実習が多い
・編入しても卒業まで3年以上必要

など、条件が大きく異なります。

なるには進学サイトでは、「必要な実習に本当に参加できるか」から学校を選ぶことをおすすめいたします。特に仕事をしている方は、出願前に年間のスクーリング日数や実習時期を確認しておくことが大切です。

実習をこなせるかが大きなポイント

通信制大学で公認心理師を目指す方にとっては、実習をきちんとこなせるかが大きなポイントとなってきます。

先ほどご紹介した通信制大学4校でも、それぞれ方法が異なります。

公認心理師のカリキュラムで必要な「心理演習」と「心理実習」は受講するための選抜試験が行われ、選考に合格した人だけが受講できるという通信制大学もあり、学校によってはかなり高倍率になるところも!

選抜に通ることができたら、大学側が用意してくれた実習先で実習を受けることが可能となりますが、選抜を勝ち抜く必要があります。

また実習先を自分で開拓していく必要があるけれど、通いやすい場所で実習を受けられる場合もあります。

せっかく必要な単位を修得したけれど実習選抜に漏れてしまい、公認心理師への道が遠のく方もいらっしゃるとのこと。「実習」についての各学校の情報は、出願、入学前に必ず確認をしておくことをおすすめいたします。

通信制大学の選び方の一つのポイントとなってきますので、ぜひ、学校説明会や個別相談などでしっかりと確認しましょう!

大学を卒業した後はどうする?

通信制大学から公認心理師を目指す際、「卒業後の進路」は最も重要なポイントです。

公認心理師に必要な25科目を修めて通信制大学を卒業しても、それだけでは国家試験を受験できません。

卒業後は、公認心理師に対応した大学院へ進むか、認定プログラム施設で2年以上の実務経験を積む必要があります。

2026年9月現在、認定プログラム施設は全国13施設です。ただし、働くためには書類選考や面接を経て採用されなければなりません。各施設ごとに応募要件等が異なるので、それぞれご自身で問い合わせる必要があります。狭き門と言われるほど受け入れ人数も少ないため注意が必要です。

大学院よりプログラム施設で実務経験を積む方がいいと安易に考えず、プログラム施設を検討する方は事前にしっかりと確認しておくことが重要となります。詳細は厚生労働省のホームページをご確認ください。

このように通信制大学を選ぶ段階から、卒業後の進路まで考えておく方が安心です。一般的には通信制大学から大学院へ進学して受験資格を得る方が多いため、大学院受験のサポートをしている学校もあります。その点も踏まえて自分に合う学校選びをしていきましょう。

公認心理師を目指せる通信制大学院もある!

「大学だけでなく、大学院も通信で学びたい」という方もいらっしゃるかと思います。

2026年現在、公認心理師養成に対応した通信教育課程の大学院として、

東京福祉大学大学院と佛教大学大学院があります。ただし、大学院も完全オンラインではありません。

東京福祉大学大学院ではスクーリングに加えて、公認心理師受験資格に必要な450時間以上の心理実践実習を行います。

佛教大学大学院の教育学研究科臨床心理学専攻も、通信教育課程で公認心理師・臨床心理士養成に対応していますが、実習やスクーリングがあります。通信教育課程の修士課程は3年以上の在学が必要です。

「大学4年+大学院2年」という通学課程のイメージだけで考えず、通信制大学院の場合は修業年限も確認しましょう。

Cropped image of depressed man at the psychotherapist. Doctor is making notes while listening to his patient

社会人が通信制大学から公認心理師を目指すときの注意点

通信制大学は、仕事を辞めずに働きながら学べることが大きなメリットです。通学にかかる時間も短縮でき、通学制の大学に進学するよりも学費が安くなる場合が多いのが特徴です。

しかし、メリットだけではなく注意すべき点もあります。

■スクーリングや実習について

スクーリング(通学)が必要な場合、開催場所が通える範囲内なのか、また宿泊が必要なのかでも変わってきます。スクーリングの開催時期と仕事とのバランスなども働きながら学ぶためには抑えておきたいポイント。

また、公認心理師を目指すにあたり「実習」は必須となります。

厚生労働省の規定には
『保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働の5つの分野(以下、主要5分野)の施設。ただし、当分の間は、医療機関(病院又は診療所)での実習を必須とし、医療機関以外の施設での実習を適宜行う。』
実習時間は80時間以上と記載があります。

平日に数日~数週間の実習が必要になる大学もあるため、有給休暇や勤務日の調整が可能か確認しておきましょう。

■学費や生活費の確保も

大学院進学ルートを進む場合は、公認心理師になるまでに大学卒業後の大学院の学費も必要になります。

基本的な通信制大学の学費だけを比較するのではなく、

大学卒業まで何年かかるか → 実習に参加できるか → 大学院へ進めるか → 大学院修了まで何年かかるか

というところまで含めて考えて計画を立てることも大切です。

■通信制大学のサポート体制をチェック

通信制大学によって様々な受講や実習のサポート体制があります。通いたい通信制大学がどんなサポート体制なのかも学び続けていくためには重要なポイントとなります。ご自身に合う通信制大学を選べるように、事前にチェックしていきましょう。

すでに大学を卒業している場合は3年次編入できる?

大学・短期大学などをすでに卒業している場合、通信制大学への編入学を利用できることがありますが、公認心理師を目指す際は、単純に「3年次編入だから2年間学べば卒業できる」とは限りません。

公認心理師に必要な科目の配当年次や、心理演習・心理実習の履修順序により、3年次編入から最短3年間必要な学校もあります。「編入できるか」だけでなく、公認心理師の必要科目を何年間で履修できるか、学校へ確認しておくことが大切です。

通信制大学選びで入学前に確認したいこと

公認心理師を目指して通信制大学を選ぶなら、少なくとも次の点は学校へ確認しておきましょう。

  1. 公認心理師の大学段階25科目をすべて履修できるか
  2. 心理演習・心理実習に定員や選抜があるか
  3. 選抜がある場合、近年の倍率はどれくらいか
  4. 実習先は大学が用意するのか、自分で探すのか
  5. スクーリング・実習はどこで何日程度行われるか
  6. 社会人でも現実的に参加できる日程か
  7. 編入した場合、公認心理師の大学要件を満たすまで何年かかるか
  8. 卒業後に進学できる公認心理師対応大学院はあるか

特に「心理実習まで履修できるか」と「卒業後どうするか」の2つは、出願前に必ず確認しておきたいポイントです。

まとめ

通信制大学で公認心理師を目指す方法、対応している通信制大学、注意すべき点などをご紹介いたしました。

働きながら公認心理師を目指すというのは、他の国家試験を受験するよりもはるかにハードな道のりで大きな挑戦となるでしょう。

その中で学校選びはとても重要です。入学してから慌てないように、事前に各通信制大学の資料にしっかりと目を通したり、担当や職員の方、また卒業生にお話を聞くのもおすすめです。なるには進学サイトは公認心理師を目指す皆さまを心より応援しています!

公認心理師になるための受験資格や国家試験までの流れを最初から確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。

⇒ 「公認心理師になるには?受験資格・必要な年数と進路を解説」

この記事を書いた人

進路アドバイザー ナガサキ

なるには進学サイトにて進路相談を担当。
2017年10月よりLINEを通じた進路相談を開始し、2026年1月にはLINEの友だち登録数は13,000人を突破。
高校生から社会人、保護者まで、さまざまな人たちの相談に答え続けている。
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