今回は、通信制高校からの就職について考えてみたいと思います。
通信制高校に進んだ人の進路としては、全日制の高等学校と同じく、進学と就職があります。通信制高校の進学や就職について、ネット上ではさまざまなことが言われています。全日制の高校に比べて、通信制高校が就職に不利なのではないかということです。就職率の数字だけを比べてみると就職に関しては、そのような数字は出てきません。
では、実際に通信制高校を卒業した方たちの進路はどうなっているのでしょうか。
平成25年度のデータによれば、通信制高校を卒業した方の進路別の比率は下記の通りです。
大学進学:17.3%
専門学校進学:24.4%
就職:15.2%
その他:43.1%
全日制の普通科の高等学校では、大学・短期大学への進学率は60%を超えており、専修学校等への進学率は22%で、就職率は7.5%となっています。全日制の方が大学・短大の進学率は明らかに高いのに比べて、専門学校への進学率に関してはほとんど変化が無く、就職率は全日制の方が低い結果となりました。これは、全日制の高等学校の卒業生が大学や専門学校へ進学することが多く、就職する割合が自然と下がっている結果だと考えられます。
大学への進学は、全日制の高校に進学校が多いことが影響しています。大学への進学を一番に考えるのであれば、全日制の高校か、通信制高校でも大学進学に力を入れている学校があるので、そういった学校がオススメです。
数字の点で注目すべきなのが、その他の割合がとても高いことです。その他には、通信制高校を卒業した後に、進学も就職もしない卒業生の割合です。卒業後は、ニートやフリーターと呼ばれる人も多いのが現状です。しかし、これで通信制高校の卒業が就職に不利になるとは言い切れません。
通信制高校を卒業した人でも、しっかりと進学や就職を決めている人もいます。場合によっては、正社員として働きながら通信制高校に通って高校卒業資格を取る人もいるので、その場合は全日制の高校を卒業するよりもプラスに働くこともあると思います。
通信制高校は、スクーリングもありますが、毎日学校に通うわけではありません。ですから、全日制に比べると、コミュニケーションが不足しがちです。働きながら通信制高校に通う場合や、アルバイトをしながら通信制高校で卒業資格をとるのであれば、周囲とのコミュニケーションも取ることができますが、自宅にいるだけでは就職するための社会性を養っていくのは難しい面があります。通信制高校で高校卒業資格をとって、将来の就職を目指すのであれば、積極的に自分から周囲に働きかけていくことが大切になります。スクーリングを定期的に実施して、サポート体制が充実している通信制高校もあるので、そういった学校を選ぶのも大切です。
自分に合った学校を選んで、進学、就職につなげていきたいですね。