鍼灸師(しんきゅうし)は鍼(はり)と灸(きゅう)を用いて治療を施す東洋医学の専門職です。
そんな鍼灸師は国家資格のため、文部科学省または厚生労働省が認定した専門学校・大学などの養成校で学び、国家試験に合格しなければなりません。
そこで今回は、鍼灸師の「仕事内容」「目指し方」「専門学校で目指すメリット・デメリット」をご紹介します!
最後に、おすすめの専門学校もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!
鍼灸師とは?お仕事を解説
鍼灸師(しんきゅうし)は、東洋医学の鍼(はり)や灸(きゅう)を用いて治療し、患者の健康を促進する専門職です。
まず初めに、鍼灸師の仕事内容や活躍の場所、類似の職業などについて解説します。
鍼灸師の仕事内容
鍼灸師の仕事は、鍼(はり)・灸(きゅう)を用いた施術で、身体の不調の改善や予防を目指すこと。
鍼灸治療は人間の自然治癒力を高めるため、痛みの軽減やストレスの緩和、免疫力の向上など様々な効果が期待されています。
鍼灸師が行う施術は、大きく分けて以下の4つがあります。
・鍼治療
細い鍼(はり)をつぼに刺すことで刺激を与え血行の促進を図り、筋肉の凝りや痛みを軽減します。
ただ鍼(はり)を刺すだけでなく、鍼(はり)へ微弱な電流を流したり、刺入後すぐに抜いたりと色々な施術方法があります。
・灸治療
もぐさを皮膚に載せ、燃焼させてつぼに刺激を与える施術方法です。もぐさと皮膚の間に生姜やにんにくなどを入れる場合もあります。
鍼灸師が行う灸治療では、血管を広げて血行を促したり、ツボを刺激したりと様々な効果が期待されます。
・望診
患者の皮膚の状態や血色、表情、舌の状態などから栄養状態を確認し、病状を判断する診療方法です。
現代では視診とも呼ばれており、動作や身体付などからも詳しい状態を診断できます。
・脈診
通常、医師は脈拍を確認するために脈を診ますが、鍼灸師の場合は脈を診ることで身体の気の流れ、バランスを確認しています。
脈診は鍼灸師の施術の中でも特に難しいものの、非常に効果的とされています。
活躍できる分野
医療機関や接骨院・鍼灸院はもちろん、様々な分野で鍼灸師は活躍しています。
鍼灸治療といえば、肩こりや冷え性などの改善に用いられるイメージが強いかと思いますが、美容や不妊治療、更年期障害、介護などの福祉、スポーツなどの分野でも活躍しています。さらに、経験を積んでから独立し開業する方も多いです。
鍼灸師になるには、学びながらどんな分野で活躍したいのかも明確にしておくと就活の際の指標となるでしょう。
専門学校から目指す場合、鍼灸の技術・知識に加え、美容・スポーツなど、各分野に特化した学びができるカリキュラムが組まれている場合もあります。目標がはっきりしている場合は、目標に適した専門学校を選んでみて下さね。
類似の資格
鍼灸師の類似の資格として、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師があります。
どちらも鍼灸師と同じく東洋医学をベースとして治療を行う国家資格ですが、鍼(はり)や灸(きゅう)は使用せず、指圧や揉む、叩く、なでるなどの手技で施術を行います。
鍼(はり)や灸(きゅう)を用いて治療を行い方は鍼灸師の資格が必要になりますので注意が必要です。
・柔道整復師
柔道整復師は、柔術の活法を元にした、骨折や捻挫などの外傷を治療する手法である柔道整復を活用し施術をお行います。
投薬や手術はせず、手技や固定などで自然治癒力を高めることでが意匠を治療します。鍼灸師と同様に、なるには国家資格の取得が必須です。
・あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は、あん摩(あんま)やマッサージなどの手技で血行を促し、肩こりや腰痛といった症状の軽減を目指す国家資格です。
あん摩とは、衣服の上から、指や手のひらを使って筋肉や関節をほぐす施術を指します。
これらの類似の国家資格は、専門学校によっては鍼灸師と同時に取得することも可能です。
鍼灸師と共に柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師の資格も取得しておけば仕事の幅も広がりますので、ご自身の目標に合わせ鍼灸師との同時取得を検討してみてくださいね。
目指し方は?
鍼灸師になるには、文部科学省または厚生労働省が指定する専門学校や大学などの養成校で3年以上学び、卒業後に国家試験に合格する必要があります。
ここでは、詳しい鍼灸師のなり方を確認していきましょう!
■鍼灸師を目指せる養成校の種類
まずは、鍼灸師になるには欠かせない養成校である大学、専門学校について、それぞれの特徴を見ていきましょう。
・鍼灸師を目指せる大学
医療系の学部で4年かけて鍼灸師になるために必要な知識や技術を学びます。
大学は鍼灸師に関する学び以外にも一般教養科目を含め幅広く学習できるのが特徴です。基本的には学んだ分野へ就職する方が多いですが、学べる範囲が広いため進路変更をしやすいという特徴もあります。
・鍼灸師を目指せる専門学校
専門学校では、3年間で実践的に鍼灸師に必要な知識・技術を学びます。専門学校と言えば2年制を想像する方も多いですが、鍼灸師を目指す専門学校は最低3年制となっているので注意しましょう。
専門学校は大学よりも1年間教育期間が短いため忙しくはありますが、基礎から丁寧に指導してもらえるため、勉強に自信がない方でも安心です。
また、より専門性を絞って実践的に学ぶので、鍼灸師に特化した学びを希望している方にも専門学校は向いているでしょう。
ただし、専門学校では鍼灸師に特化して学ぶ分、進路変更が難しくなってしまうので、選択の幅を広げながら学びたい方は注意が必要です。
・社会人の学校選びについて
鍼灸師を目指す方の中には、働きながら学びたい社会人の方もいらっしゃいますよね。
社会人の方が再進学を目指す際、候補となるのが通信制大学と専門学校の夜間部ですが、実技が必須のため完全な通信制課程で学ぶことはできません。
ただし、地域によっては夜間部を設けている専門学校や、座学のみオンラインで受講できる専門学校もありますので、働きながら学びたい社会人の方は専門学校で鍼灸師を目指すのがおすすめです。
また、無認可校であるスクールから鍼灸師を目指すこともできないため要注意です。
■鍼灸師になるには欠かせない国家試験
鍼灸師になるには、鍼師・きゅう師の両方の資格を取得する必要があります。
鍼灸師の国家試験は毎年2月の最終日曜日に実施される、1問1点・170点満点の筆記試験です。実技試験は、学校で修了済とみなされるため実施はありません。
どちらの試験も6割の正答率である102点以上で合格となります。
専門学校で目指すメリットとデメリット
丁寧な指導を受けながら目指したい学生さんやキャリアチェンジを目指す社会人の方が鍼灸師になるには、専門学校がおすすめです。
しかし、進路を選択する際はその選択しのメリット・デメリットを把握しておきたいですよね。そこで専門学校で目指すメリットとデメリットをご紹介します。
専門学校で学ぶメリットは?
①面倒見の良い環境で実践的に学べる
専門学校は面倒見がよく、学習サポートが手厚いです。一人一人に目を向けてしっかりサポートしてくれるので、勉強に自信がない方や、丁寧な指導を受けながら鍼灸師の資格取得を目指したい方は専門学校がおすすめです。
資格取得に向けたサポートも充実しているので、安心して鍼灸師の資格取得を目指せます。
また、専門学校は業界と関わりが強いため、実際に鍼灸師として経験を積んだ方が講師として教育を担当します。大学と比較し学習期間が短いため、一般教養科目などは学べませんが、より実践的に必要な技術・知識を学んでいくのが特徴です。
②業界との関りが深いので就職に強い
専門学校は講師がプロの鍼灸師であるのはもちろん、毎年多くの卒業生を送り出しているため、各分野の業界と太いパイプがあります。
そのため、求人が直接届いたり、インターンの斡旋があったりと就職の際も安心です。もちろん、就職活動に向けた就活セミナーや、進路決定までの丁寧なサポートなども充実。
就職をゴールに定めているので、充実の就職支援を受けながら鍼灸師を目指したい方には専門学校がおすすめです!
③学校ごとに分野に特化したカリキュラムがある
鍼灸師は様々な分野で活躍しているため、専門学校によっては美容やスポーツなど各分野に特化した学びもできる学科が備わっている場合も。
就職先も希望の分野へ進みやすいので、ご自身の関心が定まっている場合にはより専門的なカリキュラムがある専門学校を選んでも良いかもしれません。
④昼間働きながら学べる夜間部がある専門学校も
再進学やキャリアチェンジを目指す社会人の方の中には、働きながら夜間に学びたい方も多いですよね。
実技がメインとなるため通信制大学などの通信課程で鍼灸師を目指せる学校はありませんが、専門学校には夕方~夜間に学べる夜間部があります。また、一部の専門学校では、オンラインで鍼灸師の実技以外の科目を履修できるカリキュラムがあるため、可能な限り通学を減らしながら鍼灸師を目指したい社会人の方はそういった専門学校を検討するのもおすすめです。
働きながら鍼灸師を目指したい方には、夜間部や一部をオンラインで学べる専門学校は大きなメリットとなるでしょう。
⑤嬉しい奨学金制度も整っている
専門学校では、日本学生支援機構の奨学金を利用できるのはもちろん、学校独自の奨学金や特待制制度といった学費減免制度が整っています。
また、一定の条件を満たす社会人が利用できる教育訓練給付制度の対象となっている専門学校も多いです。
「少しでも安い学費で進学したい!」という方は、事前に専門学校の奨学金制度や特待生制度の有無や、教育訓練給付制度の対象になるかをチェックしてみてくださいね。
中には、専門学校の特待生制度の利用をしたい方は専用の入試を受験する必要がある場合もありますので、事前の情報確認が大切です。
人によってはデメリットがある場合も…
①進路変更がしにくい
専門学校は大学と異なり一般教養科目などは履修せず、鍼灸師に特化した学びをすることになるので、鍼灸師以外の進路変更が難しいという欠点があります。
もし、鍼灸師以外の選択も残しながら学びたいという方は専門学校よりも大学の方が環境としては適している可能性が高いです。
ただ、鍼灸師だけを目指したい方にとっては、専門学校は夢への近道となります。ご自身の希望に沿って大学・専門学校どちらに進むのか考えてみてください。
また、事前にオープンキャンパスに参加しておくことで入学後のミスマッチを減らせます。専門学校のオープンキャンパスでは実際の授業を体験できる場合も多いので、事前の参加がおすすめです。
②大学と比較してスケジュールが過密
専門学校は高校までのように決められた時間割に沿って毎日学びます。対する大学は自由に履修登録をできるほか、卒業までの年数も専門学校より1年長いです。
そのため、専門学校は大学よりもスケジュールが過密で忙しい傾向にあるので、注意しましょう。
鍼灸師になるには専門学校がおすすめ!
鍼灸師になるには、国家試験に合格する前に専門学校や大学といった養成校で3年以上学ぶ必要がありました。
中でも、面倒見の良い環境で資格取得・就職を目指すなら、鍼灸師の専門学校がおすすめです!
最後に、鍼灸師になるにはおすすめの専門学校をご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
専門学校を選ぶ際には、複数の学校の資料を比較したり、オープンキャンパスに足を運んでみるのがおすすめです。
なるには進学サイトから無料で専門学校の資料請求、オープンキャンパスや体験授業などのイベント申し込みができるので、よろしければぜひ進路選びにご活用くださいね♪
関東の専門学校
新宿医療専門学校
実践的な学びで鍼灸師を目指せる専門学校!
専門学校の校内に整形外科リハビリテーションクリニック・美容鍼サロンといった施設を併設ているので、鍼灸・柔道整復に関わる現代医療機関があるので、現場を実際に体験しながら鍼灸師を目指せます。
医療機関はもちろん、スポーツ関連企業・美容関連企業などへの就職が強いのも大きな魅力◎

学校情報
新宿医療専門学校
人にやさしく、自分をつよく。
キャンパスの所在地:東京都
日本医専(旧校名:日本医学柔整鍼灸専門学校)
「美容鍼灸」「スポーツ鍼灸」「婦人鍼灸」「小児・高齢者鍼灸」の技術を学びながら鍼灸師を目指せる高田馬場の専門学校です。
実技科目以外をオンラインで学べるオンデマンドコースもあるので、働きながら学ぶ社会人の方も通いやすい専門学校になっています。
部活動をしながらトレーナーの技術を磨ける育成プログラムもあるので、スポーツ業界で活躍できる鍼灸師になりたい方にも向いている専門学校と言えます。

学校情報
日本医専(旧校名:日本医学柔整鍼灸専門学校)
医療・スポーツ・美容など幅広く活躍できる柔道整復師・鍼灸師へ
キャンパスの所在地:東京都
関西の専門学校
森ノ宮医療学園専門学校
現場で活躍するプロから学び、鍼灸師に必要な技術力を身につけられる関西の専門学校です。1年次の早い段階から臨床現場を経験できるのも大きな魅力。
そして、森ノ宮医療学園専門学校は午前コース・お昼コース・夜間コースが開設されている専門学校なので、自分の生活リズム合わせて学べます。

学校情報
森ノ宮医療学園専門学校
とことん、現場”手技”。現場で活きる力を身に付ける「臨床の森ノ宮」
キャンパスの所在地:大阪府
大阪医療技術学園専門学校
1年次から少しずつ鍼灸師国家資格の対策授業があるので、安心して鍼灸師を目指せる関西の専門学校。
18歳で入学する方はもちろん、19歳以降や20~30代まで、多くの方が学んでいるので社会人の方も安心です。
鍼灸美容学科があるので、美容系に強い鍼灸師を目指したい方におすすめの専門学校と言えるでしょう。

学校情報
大阪医療技術学園専門学校
想う、踏みだす、変わる未来。
キャンパスの所在地:大阪府
「九州地方や四国地方の専門学校も知りたい!」「岡山県にある鍼灸師の専門学校は?」など、今回ご紹介した地域以外の専門学校を知りたい方は、LINEで個別にご案内もしております。
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