社会人の方で、マッサージ師に転職したいと考える人は少なくありません。主に身体の不調がある人に施術するマッサージ師は、「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格を取得していますが、この資格は厚生労働省指定の学校に行かなければ取得できません。
では、働きながらだとマッサージ師になることは難しいのでしょうか?
答えは「NO」です。今回は働きながらマッサージ師を目指すために知っておくべきことや取得方法、働きながら目指すコツ、学費や就職後の収入などについて解説します。少しでも参考になれば幸いです!
■目次
- 働きながらマッサージ師になるには
- 社会人が目指す最短ルートや仕事をしながら目指すコツは?
- 働きながら夜間部に通う場合の学費や学費サポート
- マッサージ師の収入・スキルアップの方法
- 働きながら取得するなら専門学校やスクールがおすすめ!
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働きながらマッサージ師になるには
先述の通り、マッサージ師と名乗って仕事をするには「あん摩マッサージ指圧師」を取得しましょう。ここではあん摩マッサージ指圧師について詳しく解説します。
あん摩マッサージ指圧師とは
資格の名称通り、あん摩・マッサージ・指圧の知識や技術があると認められた国家資格です。マッサージをあん摩マッサージ指圧の施術所等において医師以外が行う場合、「あん摩マッサージ指圧師」「はり師・きゅう師」「柔道整復師」のいずれかを持っている必要があります。
あん摩マッサージ指圧師は東洋医学に基づき、器具等は使わずに手で撫でる・押す・揉むなどを用いて血の巡りをよくしていくのが主な仕事です。あん摩とは、「按(あん)」という押さえる意味と「摩(ま)」という撫でることを意味し、身体の症状緩和や改善を目指す方法と言われています。
マッサージはかつてヨーロッパで誕生した施術の方法であり、皮膚に直接触れて撫でる、擦ることで血の巡りの改善を図ります。指圧とは、日本生まれの施術方法です。こちらは服の上からツボ等を押し、圧力を加えて筋肉等を調節します。アメリカの理論を参考にしているそうです。
あん摩マッサージ指圧師は、この3つの施術を通してマッサージへ来た人の症状の改善や軽減、緩和を行うのが主な仕事と言われています。就職先は病院や治療院、介護施設、スポーツ業界、企業など様々です。
無資格のマッサージ師との違い
皆さんが街でよく見かける「マッサージ屋さん」は「もみほぐし」や「リラクゼーション」として身体をほぐす役割を果たすことが多く、無資格者ができる範囲が「もみほぐし」「リラクゼーション」です。そのため、例えば「エステティシャン」「施術担当」などマッサージ師と名乗ることはないのが多くの人がイメージする無資格のマッサージ師です。
ただし、なかには施設長や責任者は有資格者でセミナーや研修でほぐし方を学べるところもあるそうです。そこからマッサージ師を目指すために無資格でリラクゼーションサロンで働きながら、本格的な勉強の為にあん摩マッサージ指圧師や鍼灸師等を目指す人も多くいると言われています。
あん摩マッサージ指圧師になるには
基本的には養成校と言われる学校を卒業する必要があります。厚生労働省のあん摩マッサージ指圧師資格試験によると「3年以上、文部科学大臣又は厚生労働大臣が認定した養成施設で必要な学習をした人」が試験を受けられます。
そのほかには盲学校の理療科ではあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師を養成しています。現在は名称が特別支援学校に変わった学校もありますが、今でも高等部(高校に値する特別支援学校)ではあん摩マッサージ指圧師等を目指せる科があるようですが、社会人が働きながらマッサージ師を目指すなら、大学または3年制の専門学校やスクール、短大となるでしょう!
社会人が目指す最短ルートや仕事をしながら目指すコツは?
働きながら最短でマッサージ師になるなら夜間部がオススメです。
あん摩マッサージ指圧師は、最低3年の学習が必要となります。大学や3年制の短大も選択肢としてアリですが、これまで通り正社員として働きながら日中に学校へ行くことは難しいですよね。その点、専門学校やスクールであれば夜間部を設置している学校もあるので、働きながら勉強する環境としてぴったり!
マッサージ師になるための通信制の学校は存在しないため、働きながら目指すなら専門学校やスクールがオススメです。
例えば、社会人(18歳~60歳)が90%を占めている学校もあります。夜間部は特に、他の職種や医療職から転職、スキルアップを希望して働きながら通学する方や、主婦、定年退職後の方なども入学されているそうですよ。働きながら通う人を歓迎している学校も多くあります。
ただし、全国のマッサージ師資格が取れる学校に夜間部が設置されているわけではないので注意してください!
働きながら学校に通うコツは「目標を明確にする」「仕事と両立するための計画を立てられる」「モチベーションをある程度維持できる」「体調管理ができる」です。そのためにも授業の開始時刻や終了時刻を必ずチェックしましょう!多くは18時や18時半から授業が始まります。職場からの移動時間も考えて間に合うかどうか事前に考えることも両立には重要です。
また、授業の復習は休みの日にするなど、「仕事+授業+自主学習」のスケジュールにならないようにするのも大切。授業を受けた後に復習できる方が理想と感じる人もいますが、仕事のあとだということを忘れないようにしましょう。睡眠時間が減ってしまっては、仕事にも授業にも支障をきたしてしまいます。1~3年だからと無理せずに、体調管理はしっかりやっていきたいですね。
さらに働きながら通うなら、補講や実習の日程などに要注意です。特に医療系資格の学校の場合、実習は日中に行われることが多いと言われています。また、働いながらの場合、残業や体調不良等で授業を欠席することも考えられます。補講があるのか、いつ実施されるかも働きながら通うなら確認しておきましょう!
働きながら夜間部に通う場合の学費や学費サポート
働きながらマッサージ師を目指す場合、学費や生活費が心配な社会人は多いでしょう。
マッサージ師を目指せる夜間部の学費は、昼間部と同じ学校が多いそうです。ただし、夜間部の学校が全て同じ額ではなく、差があることが分かりました。夜間部だけで比較すると3年間で330万円が最安で、3年間で446万円が最も高いようです。これらに加えて教科書や白衣等の教材費が20万弱かかります。
さらに専科のみだと446万円が最も高いようですが、鍼灸師(はり師・きゅう師)も同時に目指せる昼間部の学科だと3年間で500万円ほどかかるようです。
働きながら目指す人は「専門実践教育訓練給付金制度」を利用しましょう!「専門実践教育訓練給付金制度」とは、指定講座として認められた学校のコースを受講する社会人が対象となる給付金制度です。
ただし社会人が全員対象とはならないので注意してください!対象となるのは、雇用保険の被保険者(在職者)と雇用保険の被保険者だった人(離職者)のなかで条件に当てはまっている人のみです。
・雇用保険の被保険者(在職者)の対象
被保険者期間が3年(初めて給付金を受給するなら2年)以上ある
・雇用保険の被保険者だった人(離職者)の対象
被保険者資格を失った日(離職の翌日)以降、受講開始までが1年以内かつ、被保険者期間が3年(初めて給付金を受給するなら2年)以上ある
※妊娠・出産、育児、疾病、負傷等で教育給付の適用期間が延長された場合は、受講開始まで最大20年以内
つまり、初めて給付金制度を利用するなら雇用保険に2年以上入っていれば対象となります。
この制度や奨学金制度を活用することで、学費負担を軽減できます。奨学金制度はスクールでは適用外ですが、その場合「専門実践教育訓練給付金制度」の対象校である学校が多いのでご安心ください。
生活費は奨学金から賄う人もいますが、夜間部の学生は日中にアルバイトや正社員として仕事をしている人が多いです。両立はなかなかハードですが、福祉施設や医療現場などの目指す道と近い職で働きながら勉強している学生もたくさんいらっしゃるそうですよ。
マッサージ師の収入・スキルアップの方法
厚生労働省「令和3年度賃金構造基本統計調査」によれば、あん摩マッサージ指圧師(マッサージ師)の平均年収は423万円(平均年齢37.7歳/勤続年数8.6年)と言われています。就職先別ですと、治療院などは16万円前後、病院が約20万円が多いそうですが資格手当が別途で付く場合もあるようです。
働きながら資格を取った後と考えると年収が低いように感じる人もいますよね。ただ、訪問関係や治療院では基本給+歩合制になることもあり、技術や人気が上がれば上がるほど、良い収入も期待できます。また、ほかにもマッサージ師として働きながら収入アップを目指せる方法もあるのでご紹介します。
マッサージ指圧師の収入UP方法は?
先述の通り、歩合制の職場で固定客を増やす方法もありますが、独立を目指す方法もよいでしょう。マッサージ師の開業は、特別な機材がいらないため、開業資金を抑えやすいです。ただし、最初は治療院や病院で経験を積み、資金を貯めながら技術を高めた方がリスクが少ないと考えられます。
また、マッサージ師のスキルアップには他の資格もおすすめです!例えば「はり師・きゅう師」「柔道整復師」「理学療法士」などがあります。働きながらこれらの資格を取ることは大変ですが、持っている人も多くいらっしゃいますよ。
はり師・きゅう師(鍼灸師)
試験内容に共通する部分もあるため、同時取得をされる方も多いようです。はり師は、症状に合わせてツボに鍼をさし、刺激を与えていきます。きゅう師は、灸を専門とし、もぐさを燃やしてツボを刺激します。同じようにツボを刺激する仕事のため、はり師・きゅう師は同時に取得する人がほとんどです。
マッサージ師と言われる人たちは主に「あん摩マッサージ指圧師」ですが、仕事の幅を広げるなら、ニーズのあるはり師・きゅう師も目指す価値はあるでしょう!
柔道整復師
柔道整復師は骨や関節を整復、靭帯損傷などの改善を図ります。マッサージ師との共通点は特別な器具を使わないこと。柔道整復師はケガを負っている人が対象の為、マッサージ師というよりもケガ人対応をしたい人は柔道整復師のみという選択もアリです。
理学療法士
理学療法士のみではマッサージ師として仕事はできません。理学療法士は、ケガや病気の予防のための健康増進や動作機能の回復が主な仕事となります。マッサージ師がこの資格をあん摩マッサージ師と共に持っておくことで、運動が苦や内科学、精神医学、身体機能の回復やリハビリにも詳しいマッサージ師を目指せます。
機能訓練指導員
資格ではないですが、実はマッサージ師の求人には「機能訓練指導員」採用の募集が多くあるそうです。機能訓練指導員とは、主にデイサービスやショートステイ、特養などで働きながら日常生活における身体機能の低下を防ぐ、本人のできることを増やしていくことを目標として働きます。この採用枠はあん摩マッサージ指圧師に限らず、理学療法士や作業療法士、看護師・准看護師、柔道整復師、鍼灸師のいずれかを持っている人が認められる役割です。
スポーツトレーナー
こちらも特別な資格がなくても目指せます。ただし、あん摩マッサージ指圧師は運動・スポーツ学、健康管理などを専門的に学んでいない人が多いので、自身で勉強するもしくはアスレティックトレーナーの資格を検討するのも選択肢の一つです。
このように独立する、資格を追加で取る以外にも、スポーツトレーナーや機能訓練指導員の求人も探すと選択肢が広がり、スキルアップや収入アップを目指せます!ほかにも、アロマの資格は働きながら勉強できる通信講座もあるので、あん摩マッサージ指圧師を取得したあとにマッサージ師として働きながら取得する人もいますよ。
働きながらまた学校に通うのは大変、という方は職場や選ぶ資格をしっかり考えてから目指しましょう。
働きながら取得するなら専門学校やスクールがおすすめ!
マッサージ師は働きながら目指せる職業です。日中に働きながら通うなら、夜間課程の学校がおすすめ。全国的にマッサージ師資格を取れる学校数は多くはないですが、どの学校も働きながら通う人の入学(再進学)を歓迎しています!
働きながら夜間部でマッサージ師資格を取得するメリットは「効率よく学べる」「昼間部と学びや学費の差がほぼない」「就職やスキルアップのサポート充実」などがあります。
マッサージ師の正式な資格は独学や通信では取得できません。働きながら資格取得を志す人の最も効率の良いルートは夜間部に行くことです。また、先述の通り授業内容だけではなく学費も昼間部と大きな差がないのもメリットでしょう。修業年限も共に3年なので、仕事を辞めたくない人は夜間部の方が合っている人が多いですよ。
さらに、専門学校やスクールは働きながら勉強する人にも有難い資格対策や就職のサポートが充実しています!就職後に現場で活かせるスキルに特化したカリキュラムが構成されているので、転職希望の人も安心です。学校によっては独立サポートや卒業後の研修制度を設けているところもあるので、ぜひ自分に合う学校を見つけてみてくださいね!
学校を決める際は、出来れば学校説明会などに参加しましょう。働きながら学校を探すと、平日は動きにくい人も多いですが、「見学したい」と学校に問い合わせると案内してくれる可能性も高まります。実際に見ることで雰囲気が分かり、カリキュラムや学校の制度への理解が深まり、自身が学校に通うことを想像しやすくなるでしょう。
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