視能訓練士は社会人から転職される人も多い仕事。異業種転職や、医療系国家資格を目指す社会人から注目されている「目のスペシャリスト」です。
視能訓練士になるには養成機関での課程修了後、国家試験を受験する必要があります。国家試験の合格率は非常に高いので、社会人からでも養成機関でしっかり学ぶことで視能訓練士になれます。
今回は「視能訓練士になる方法」「気になる就職状況」「学校の選び方」を解説!最後に社会人から視能訓練士を目指せるおすすめの専門学校を紹介します。視能訓練士になりたい人や迷っている人はぜひ参考にしてくださいね。
■目次
- 社会人から視能訓練士になれる
- 社会人から目指す最短ルートを解説
- 就職は?社会人からで大丈夫?
- 1年制と3年制のメリット【社会人からの学校の選び方】
- 社会人からなれる視能訓練士科おすすめの専門学校を紹介
社会人から視能訓練士になれる
「視能訓練士は社会人から目指すのはありなの?」
答えはありです!社会人から目指す人も多い職種ですし、視能訓練士は今もまだ数が足りていないと言われる需要のある仕事。視能訓練士協会の調査でも、多くの大卒以上の人が視能訓練士養成施設に入学しているデータがあります。社会人から目指している人も少なくありません。
この項目では、視能訓練士の仕事内容や主な就職先、視能訓練士になる方法を解説します。
視能訓練士とは医療スタッフの中で「眼科・目」のスペシャリストの役割を担っています。主に「視能矯正」「視機能検査」「検診/健診」「ロービジョンケア」を業務です。
・業務内容/仕事内容
「視能矯正」では、小児の視機能検査を実施し、弱視・斜視への視力向上などを目的とした訓練を実施します。「視機能検査」では、医師が診断や治療をするために必要な視機能のあらゆる検査の実施です。「健診」は3歳児健診や生活習慣病健診などを実施します。「ロービジョンケア」とは、疾患や外傷により視機能が低下した際に、生活の質(QOL)の改善を支援する業務です。
※ロービジョン…疾患や外相により、見えにくさやまぶしさ、視野の狭さを感じ生活しにくい状態のこと。
・主な就職先とは?
視能訓練士は医療機関勤務が主流です。国公立や私立の医療機関(総合病院、眼科病院、クリニック、レーシックセンターなど)に勤めます。ほかにも養成施設、医療関係企業などに勤務する視能訓練士もいます。
・社会人から視能訓練士になる方法
社会人が視能訓練士になるためには、受験資格が得られる養成課程のある学校を卒業する必要があります。視能訓練士の国家試験は年1回です。受験資格は、高卒で視能訓練士養成施設(3年以上)の卒業、短大卒以上で視能訓練士養成所(1年以上)に修業、海外の視能訓練士学校卒業のいずれかになります。
視能訓練士養成施設は全国30箇所、通信などはなく、大学も専門学校もすべて通学するタイプの学校です。国家試験の合格率は90%以上(2021年2月:91.1%)なので、養成課程でしっかり学ぶことでほとんどの人が合格しています。
合格率は非常にいいですが、養成施設が少ないことと、求人数が他の職種よりも少ないことで視能訓練士の取得を迷う人もいます。しかし、視能訓練士は医師以外の唯一の目のスペシャリストであると言ってもいいでしょう。
資格取得と迷いやすい他の医療系資格
社会人から視能訓練士になりたい人の中には、他の医療系資格と迷う人もいます。例えば、言語聴覚士(嚥下や言語・聴覚のスペシャリスト)、理学療法士(運動機能などの回復のスペシャリスト)、作業療法士(精神的安定を含むリハビリのスペシャリスト)などです。迷う理由の多くは「求人数が少ない」「給料が低い可能性がある」という心配からが多いでしょう。視能訓練士の求人数は少ないですが、何になりたいか・どんな人を対象に仕事をしたいかで選ぶことが、やりがいに繋がるという考え方もあります。
人が何かしらの情報を得るうちの6割が視覚です。人の生活に関わる仕事に就きたいなら「視能訓練士」がオススメです!
社会人から目指す最短ルートを解説
社会人から視能訓練士資格を最短で取得するなら「1年制の専門学校」です。4年制大学に入学・編入するよりもはるかに早く受験資格を得られます。ただし、受験資格条件は「視能訓練士養成施設(3年以上)を卒業」「短大以上の学歴もしくは、看護師や保育士の養成機関で指定科目を履修した者で、視能訓練士養成施設(1年以上)を修業」「海外の視能訓練士養成施設卒業」のいずれかです。1年制で視能訓練士を目指せるのは「短大以上もしくは看護師や保育士などの養成機関で指定科目を履修した人」になります。
視能訓練士養成施設の1年制は、働きながら通う人も多く、社会人から視能訓練士を目指して入学することが珍しくないです。また、専門学校なら夜間・土日祝のみのコースなど、昼間部以外にもコースが選べます。自分にあった通い方ができるので、社会人から視能訓練士を目指す人は1年制の専門学校や、夜間部がおすすめです!
受験資格以外にも1年制を選ぶ社会人への注意点があります。夜間部や土日祝コースを選んだ場合でも、実習は昼間です。実習先は他の医療・福祉系国家資格と同様に昼間の施設になります。自己都合で夜や土日に実習をすることはできません。実習は多くの場合、約3ヶ月の病院実習を受けることになっています。もし、夜間部や土日祝コースなら仕事と調整できる!と考えている社会人は、実習期間に注意しましょう!
就職は?社会人からで大丈夫?
社会人から視能訓練士を目指す時、学校選びや入学後のスケジュール、資格取得方法以外で心配になるのは「就職」でしょう。社会人から学生になり、再就職をする場合は年齢や年収が気になるのも当然です。しかし、年齢も年収も心配いりません!
この項目では「公益社団法人 日本視能訓練士協会 視能訓練士実態調査報告書(2020年度)」をもとに、社会人から目指す皆さんが気になる視能訓練士の就職状況を解説します。
・年齢や男女比
視能訓練士の年齢は、20代が約15%、30代は約35%、40代が約33%と30代以降の方が多いです。また、視能訓練士養成施設の入学前学歴は高卒が52%、大学・短大卒が38%と社会人から入学を志している人が多くいることがうかがえます。
男性で社会人から視能訓練士を目指す人の心配は収入面と性別比といえるでしょう。視能訓練士の性別は8割以上が女性ですが、年々男性の比率も増えています。今後も増加傾向にあると言われています!
・視能訓練士の就職状況
就職先は、他の医療系国家資格と比較すれば少ないです。しかし、視能訓練士自体は「まだ足りない!」と言われているので必要とされています!
実際の就職先は、視能訓練士の4割くらいが眼科クリニックに就職、その他は病院に就職する人が多いと言われています。眼科クリニックは、レーシックや小児など専門的な診療科目に特化したところに務めることでさらに専門性を磨いていきます。病院は、脳神経外科や内科など他科と連携することで数多くの症例から経験を積むことが出来ます。
給料は年齢よりも、実務経験や能力、職場によって大きく異なります。平均年収は約375万円。勤務先別にすると最も高いのが私立大学病院、最も低いのは眼科クリニックです。また、個人経営や国公立の医療機関の年収も高いデータが出ています。20代でも30代でも高収入は目指せる職種です。
1年制と3年制のメリット【社会人からの学校の選び方】
視能訓練士養成課程のある学校を選ぶとき「1年制で大丈夫かな…」と不安な人も少なくないです。実際に1年制で国家資格に合格している人もいます。1年制では試験の為の最低限の知識を学びながら、効率よく実践力を身につけることができます。他の医療系出身者や短大・大学を卒業済みで自宅で復習ができる人は一年制で十分!しかし、社会人から視能訓練士を目指す人の全員が1年制を選んではいません。
・視能訓練士養成課程の各学校の違い
大学と1年制・3年制の専門学校の違いは、学び方と活躍の幅です。大学は、4年間で知識と技術を学びますが、専門学校と比較して実習よりも講義がメインの場合もあります。大学に進学する人は「高度専門士(文部科学省の定める一定の要件を満たした学校が卒業生に対して付与する称号)」を検討している人や求人条件が大卒以上など医療機関に就職したい人が多いです。
一方、1年制の専門学校は、実習も授業も短期間で効率よくできることがメリット。年齢が気になり、働きながら授業を受けたい社会人は多くの場合、1年制を選びます。3年制の専門学校は、じっくり深いところまで学びつつ実習も豊富なので、現場に出たときの安心感は大きいでしょう。効率よく、実践的に資格取得を目指したい社会人は専門学校がおすすめです!
社会人からなれる視能訓練士科おすすめの専門学校を紹介
視能訓練士は、他の医療系国家資格と比較して求人数は多くはないです。しかし、そもそも国が必要とする人数に満たしていないとも言われています。私たちの生活に必要な「視覚に関するスペシャリスト」であることは間違いありません。
先述の通り、視能訓練士になるには年1回の国家試験に合格する必要があります。受験資格は、高卒で視能訓練士養成施設(3年以上)の卒業、短大卒以上で視能訓練士養成所(1年以上)に修業、海外の視能訓練士学校卒業のいずれかです。
養成施設には、大学や専門学校がありますが、社会人が働きながら視能訓練士になるには専門学校がおすすめです!専門学校の1年制と3年制にはそれぞれにメリットがあります。いくつかの学校の資料を見て比較することや、オープンキャンパスへの参加をしてみましょう!
最後に、「社会人から視能訓練士になるためのおすすめの専門学校」をご紹介します。学校探しの参考にしてみてくださいね。
「視能訓練士」おすすめの専門学校一覧
日本医歯薬専門学校
在学中から「現場力」を身につけられる!
特徴:東京都杉並区。現場をリアルに再現した実習室では本格的な設備での実習が可能。歯科衛生士、医療事務、視能訓練士などが「手に職」を目指せることから、再進学する学生が毎年数多くいる医療系専門学校です!
東京医薬看護専門学校
特徴:東京都江戸川区。視能訓練士は1年制と3年制の両方があります。どちらとも昼間部ですが、今年度まで1年制は土日祝開講!再進学サポートでフォロー体制も万全。
浦和専門学校 視能訓練士科(午前部)
特徴:埼玉県さいたま市。視能訓練士は3年制の午前部です。視能訓練士科設立18ねんの歴史があり、社会人や主婦が学びやすい午前9時~12時半のカリキュラムが魅力。
大阪医専 視能訓練学科(夜間部)
特徴:大阪府大阪市。リハビリテーション分野の視能訓練学科は3年制の夜間部。基礎力から総合実践力まで徹底した現場教育を受けられます。
大阪医療福祉専門学校 視能訓練士学科
特徴:大阪府大阪市。視能訓練士学科は一年制の昼間部。入学者の67%が社会人で、30代や40代の人も通っているデータがあります。即戦力になるためのカリキュラムが充実した学校です。