■自分で学習を進める
通信制大学は、普通大学と同様、4年制であり卒業後は大卒資格である「学士」の取得が可能です。
通信制大学の卒業生は、通学する普通大学の卒業生と同等の学力があると認められている証拠であり、4年間の教育を通じて高い教養や専門性を学び、身につけることができるとされています。その分、授業を行うカリキュラムについても普通大学と同様のものとなっており、通信制大学だからといって学力が劣るわけではありません。通信教育は、配信される授業を受けて問題集やレポートを自宅で作成し提出していくスタイルの学習法となります。
4年間という長い学びの期間になるため、途中で諦めてしまう方や単位数を満たせず、もっと長い期間学ばなければならないパターンになってしまう方は少なくありません。
卒業に対する高い目的意識を持ち、自分を律することができる人でないと、なかなか卒業まで至らないケースが多くあるので注意が必要です。
■卒業率って?
通信制大学に進学を志望されている方が考慮すべき重要な要素の一つに、卒業率の難易度があります。
卒業率とは、入学した学生のうち何人が最終的に学位を取得し卒業に至るかを示す統計的な指標です。2013年度の情報によれば、通信制大学全体の平均卒業率は約16%とされています。これは、入学した100人のうちわずか16人が学士を取得できる計算であり、通信制大学の卒業率は非常に低いことを示しています。
社会人として働くサラリーマンや、家庭の事情で通常の大学に通えない方が通信教育を選び方が多いです。しかし、4年間の課程を修了するまでには、環境の変化や個人的な事情により学業の継続が困難になる場合が多々あります。
そのため、通信制大学では5人に1人以下しか卒業できないという厳しい現実が存在しています。
こうしたデータを踏まえ、通信制大学への進学を考える際には、卒業までの道のりが難しいことを理解し、計画的に学びを進めることが重要です。
■卒業しやすい通信制大学の特徴
通信制大学全体として卒業率は低い傾向にありますが、大学ごとにその結果は大きく異なっています。
非常に高い卒業率を誇っている大学もあれば、その反対に低い卒業率となってしまっている大学もあります。
卒業率の高い大学の特徴としては、最初に学習サポート体制がしっかりしていることが挙げられます。
電話相談窓口やメールなどで問い合わせできる窓口を設置していることは当然で、親身になって進路相談や学習サポートをアドバイスしてくれる専門の講師・相談員の存在が不可欠です。
また、履修方法のバリエーションが豊富であることも重要となります。
インターネットを利用して時間や場所を問わず学習できる環境が構築されており、通学しなければならないスクーリングの負担も極力減らし時間を有効活用できる仕組みづくりを行っている学校が選び方としておすすめとなります。
さらに、卒業率の高い通信制大学は、学生同士の交流を促進する取り組みを積極的に行っていることも多いです。オンラインフォーラムやSNSを活用したコミュニティの形成により、学生は孤独にならずに学習を進めることができます。これにより、モチベーションの維持や情報の共有が容易になり、卒業に向けた強力なサポートとなります。
また、カリキュラムの柔軟性も卒業率に大きく影響します。学生の多様なライフスタイルに応じた学習ペースを選択できるよう、単位取得のタイミングや方法に柔軟性を持たせることで、学生は自分のペースで学ぶことができます。これにより、仕事や家庭の事情で忙しい社会人学生でも無理なく学習を続けることが可能です。
最後に、卒業までのサポートを充実させるために、キャリア支援センターや卒業後の進路支援を行う体制が整っている通信制大学も選ぶ際の重要なポイントです。卒業後のキャリアを見据えたアドバイスを受けられることで、学生は具体的な目標を持って学習に取り組むことができ、卒業へのモチベーションを高めることができます。
以上のように、卒業しやすい通信制大学を選ぶためには、学習サポート体制、学生同士の交流促進、カリキュラムの柔軟性、そしてキャリア支援の充実度をしっかりと見極めることが重要です。これらの要素を考慮に入れ、賢く大学選びを進めることで、通信制大学での学びを充実させ、無事に卒業を果たすことができるでしょう。