専門学校の奨学金支援制度について詳しく紹介!
■国・地方公共団体による奨学金制度
専門学校に進学されたい方のなかで、経済的に進学が難しい方や家族に負担をかけず進学を希望される方に向けて、国や地方公共団体はさまざまな奨学金支援制度を用意しています。
国が提供している奨学金支援制度として、独立行政法人・日本学生支援機構が用意している奨学金制度があります。
日本学生支援機構の奨学金制度は、国が進学する本人に対して貸与する方式の奨学金であり、学生の自立心を養うため卒業後は学生本人が返還していくことになります。
奨学金の種類としては「第一種奨学金」および「第二種奨学金」が存在しており、第一種奨学金は無利息での貸与、第二種奨学金は利息付きでの貸与となります。
第一種奨学金は無利息であるため、第二種奨学金に比べて有利な条件で貸与されますが、その分、貸与されるための条件も厳しいものとなっており、高校での成績が優秀(通知表が平均3.5以上)であることや家計収入での上限基準(3人世帯で716万円以下など)が設定されています。
日本学生支援機構の奨学金制度は、専門学校以外にも大学や短期大学に進学される方に対する制度でもあり、貸与される奨学金の月額は、進学先によって異なっています。
私立の専門学校に進学する場合は、月額53,000円か30,000円のいずれかを選択する形で貸与されることとなります。
第二種奨学金は、有利子での貸与になるため、第一種奨学金よりも条件は緩和されており、高校の成績が平均水準以上であれば十分であり、家計収入の上限も3人世帯で1,117万円以下となっています。
貸与される奨学金の金額は、月額30,000円から120,000円の中で選択することが可能です。
あくまで返済が必要な奨学金であるため、多く借り過ぎると、卒業後の返済額が大きくなる点に注意が必要です。
地方公共団体が実施している奨学金制度は、都道府県や市町村が主体となって貸与する制度であり、例えば、東京都においては公益財団法人・東京都私学財団の「東京都育英資金貸付事業」があります。
東京都育英資金貸付事業は、他の奨学金制度と併用は不可ですが、月額53,000円の奨学金貸与が行われており、世帯の収入金額で審査が行われます。
収入制限の限度内であっても、多数の応募があった場合は収入・所得の低い方から順に適用されることとなります。
国が実施している奨学金制度と地方公共団体が実施している奨学金制度はいずれも似た性質のものとなっていますが条件が若干異なっているため、どの奨学金を受けることが可能であるか詳細に検討することをおすすめします。
■専門学校が独自に設定している奨学金制度
最近では、多くの専門学校において、専門学校独自の奨学金制度を設けているところが増えています。
専門学校独自の奨学金制度には大きくわけて二種類存在しており、一つは「給付型」と呼ばれ、卒業後に返済する必要のない種類の奨学金制度になります。
専門学校が、学生の生活費を負担してでも通ってほしい学生の場合に提供される奨学金であり、主に、卒業後国家試験を受験しなければならないような看護師、保育士、公務員、税理士といった目標を持った専門学校の多くで実施されています。
給付型の奨学金制度は、入学時や入学後の成績によってランク分けがされており、学校ごとで内容は異なりますが、通常、授業料が全額免除となるAランクから入学金が免除となるEランクまで幅広く条件が設定されています、
もう一つの奨学金制度は、「貸与型」と呼ばれ、卒業後、貸与された奨学金を返済する義務を負うこととなります。
貸与型は、多くの専門学校で行われている奨学金制度であり、通常、成績の優劣よりも家計の収入が少ない家庭の方向けに条件が設定されています。
貸与型は、卒業後に返済義務が生じてしまうため、借りる金額はよく検討した上で申し込みすることをおすすめします。
■その他の奨学金制度
社会貢献・充実した社会の実現を目標に、さまざまな団体・企業・機関が奨学金制度を設けています。
教育ローンという形で学生を支援する団体として、日本政策金融公庫の「教育一般貸付」があります。
教育一般貸付は、各種専門学校に対応しており、入学金・授業料・受験費用といった項目から在学のためのアパート代や必要経費といったさまざまな教育資金のニーズに応える形で貸付を行っています。
最大で350万円まで借入可能であり、有利子であるものの年2.35%という安心の固定金利が設定されています
また、必要に応じて最短2週間で入金が可能というスピーディーな対応から今まで500万人以上の利用実績を有しています。
利用条件としては、申込みされる世帯で扶養している子どもの人数によって利用可能か判断されますが、子ども1人の世帯では世帯年収790万円が利用可能な上限額となっています。
年中いつでも申し込みが可能であり、専門学校に進学前の高校生段階から受給可能であるため幅広いニーズに対応しています。
また、日本学生支援機構の奨学金制度と併用可能であるため、家計が厳しい家庭の方や進学に多額の費用が発生してしまう方でも支援を受けることが可能です。
奨学金制度は、非常にさまざまな団体が実施しているため選択肢が広く、家計上進学が困難な方でも十分な支援を受けることが可能ですが、奨学金の種類として、返済義務のない給付型か、卒業後に返済義務が生じることとなる貸与型なのかは最低限抑えておく必要があると言えます。
種類 | 利息 | 年収制限 | 併用可否 | |
---|---|---|---|---|
日本学生支援機構 | 貸与型 | 第1種:無利息 | あり | 併用可 |
地方公共団体 | 貸与型 | あり | あり | 併用不可が多い |
専門学校独自 | 給付型と貸与型 | 学校が設定 | なし | 併用不可が多い |
日本政策金融公庫 | 貸与型 | 固定金利 | あり | 併用可 |