学校で教えていただいたことはたくさんありますが、今でも思い出すことは、ごく基本的なことがほとんどです。作業中の姿勢であるとか、工具を使う上での注意点など。また思い出すのは決まって失敗したときです。学生の時に失敗して先生に注意されたことを思い出すわけで、つまり、成長していないのかな、と思ったりもします。
同時に、注意されたことは覚えていても何と言われたか覚えていないこともあり、そんなときには、課題をとにかく急いだことを少し悔やみます。
学校で教えていただくことは本当に基礎です。不遜にも割とできる方だと思っていましたが、就職した時には自分が職人として使えないと思い知り、後輩の新人が入って来たときには使えないなと思いつつ以前の自分を思い出して苦笑いしました。
それだけに、学校で教えていただく内容は大事なことしかなく、仕事にするのならできて当たり前のことばかりだと思います。
基本のところをきっちり身に付けるには、できないうちからいきなり好きなものを作るより、初めは整ったカリキュラムに沿って進めるのがよく、できるだけ手の感覚を養えるところがよいのでなないかと思います。卒業後、他の学校や教室で勉強してきたたくさんの人に会いましたが、とりあえず私はクラフト以外の学校の方が良かったと思ったことは、まだありません。