通信制大学院の学費はいくら?費用相場・安く抑える方法を紹介

通信制大学院への進学を考えるとき、まず気になるのが「学費はいくらかかるのか」ではないでしょうか。

通信制大学院では、入学金や授業料のほか、大学院によって施設費やスクーリング費などが必要になります。同じ通信制でも、大学院や研究科によって学費には大きな差があります。

この記事では、通信制大学院の学費の内訳や、比較するときのポイントを紹介します。奨学金や授業料後払い制度など、負担を抑える方法もあわせて解説するので、進学先を検討する際の参考にしてください。

通信制大学院の学費はいくら?

通信制大学院の学費は、大学院や研究科、専攻によって異なります。

年間30万円台から学べる通信制大学院がある一方で、年間50万円~60万円以上の学費が必要になるところもあります。実習を伴う専攻では、授業料とは別に実習費などがかかることもあります。

そのため、学費を調べるときは「年間授業料」だけでなく、次の4つをセットで確認するのがポイントです。

  • 入学時に必要な費用
  • 毎年必要な費用
  • スクーリングなどで追加される費用
  • 修了までに必要な学費の総額

通信制大学院の学費の主な内訳

通信制大学院では、授業料以外にもさまざまな費用がかかる場合があります。主な費用は次のとおりです。

費用 内容
入学検定料・選考料 入試や出願の際に必要となる費用
入学金 入学時に一度納める費用
授業料 毎年度必要となる基本的な学費
施設費・教育充実費 教育環境や設備などにかかる費用
システム利用料 オンライン授業などのシステム利用にかかる費用
スクーリング費 スクーリングを受講するときに必要になる場合がある費用
教材費 テキストや参考書などの購入費用
実習費 実習のある専攻などで必要となる費用
論文審査料 修士論文などの審査時に必要となる場合がある費用

これらの費用がすべての通信制大学院で必要になるわけではありません。スクーリング費が授業料に含まれている大学院もあれば、履修する科目によって別途かかるところもあります。

公式サイトや募集要項を見るときは、「授業料」の欄だけでなく、「初年度納入金」や「諸経費」の項目まで目を通しておくと、実際の負担がつかみやすくなります。

money-2724241_1920

通信制大学院の学費にはどのくらい差がある?

通信制大学院は、大学院ごとに学費の設定が大きく異なるので注意が必要です。

比較的学費を抑えて学べるところもあれば、専門的な設備や実習が必要な研究科では費用が高くなることもあります。同じ大学院でも、研究科や専攻によって学費が違う場合があります。

つまり、「通信制だから安い」「年間授業料が安いところを選べばよい」とは限りません。学べる分野や学習方法、スクーリングの有無といった特徴も含めて比べることが大切です。

具体的な大学院を探したい方は、通信制大学院の一覧から確認すると比較しやすくなります。学費だけでなく、学べる分野や各大学院の特徴もチェックしながら、自分に合った進学先を探してみてください。

【通信制大学院の一覧を見る】

banner (13)

通信制大学院の学費は通学制より安い?

通信制大学院は、通学制の大学院と比べて学費が安く設定されている場合があります。

また、大学へ通う回数が少ない分、次のような費用も抑えられる可能性があります。

  • 通学にかかる交通費
  • 遠方から通う場合の宿泊費
  • 大学院進学に伴う引っ越し費用

仕事を続けながら学びたい社会人にとっては、今の生活を大きく変えずに進学できる点も大きなメリットです。

ただし、定期的なスクーリングが必要な通信制大学院もあります。自宅から遠い大学院だと、授業料は安くても交通費や宿泊費がかさむことがあるので、学費以外の費用まで含めて比較しておくと安心です。

スクーリングなしで学べる通信制大学院はある?

仕事や家庭との両立を考えて、「スクーリングなしで学べるところを選びたい」という方もいるでしょう。

オンライン授業やオンラインでの研究指導を中心にしている通信制大学院もあります。ただし、通信制だからといって必ずスクーリングなしで修了できるわけではありません。授業の一部や研究指導、修士論文の発表などで、キャンパスへ行く必要がある場合もあります。

スクーリングなしで学びたい場合は、次の点をチェックしておきましょう。

  • 授業をオンラインで受講できるか
  • 対面での授業が必須になっていないか
  • 研究指導をオンラインで受けられるか
  • 修士論文の発表や審査で通学が必要か

通信制大学院の学費を比較するときの3つのポイント

通信制大学院を選ぶ際は、表示されている授業料ではなく、実際に修了するまでの負担で比べることが大切です。確認しておきたいポイントを3つ紹介します。

1.修了までの総額で比較する

修士課程の標準修業年限は、一般的に2年間です。入学金は初年度だけ必要になることが多いため、1年目と2年目で納める金額が変わる場合もあります。

気になる大学院が見つかったら、次のような式で修了までの総額を一度計算してみてください。

修了までの総額=入学金+(授業料+施設費などの諸経費)×2年+論文審査料などのその他の費用

大学院ごとに同じ式で計算すると、「授業料は安いけれど諸経費が多い」といった違いが見えてきます。

2.スクーリングにかかる費用を試算する

スクーリングが必要な通信制大学院の場合、学費とは別に交通費や宿泊費がかかります。募集要項や公式サイトでスクーリングの回数と開催場所を確認し、次のように試算してみましょう。

スクーリングの費用=(往復の交通費+宿泊費)×2年間のスクーリング回数

オンライン中心で学べる大学院と、スクーリングが多い大学院とでは、この金額に大きな差が出ることがあります。

3.2年間を超えて在籍する場合の費用も確認する

仕事や家庭と両立しながら学ぶ場合、2年間で修了できるか不安な方もいるでしょう。大学院によっては、標準修業年限より長い期間をかけて学ぶ「長期履修制度」を設けています。

また、修士論文が予定どおり進まず、2年を超えて在籍することになった場合は、追加の授業料や在籍料がかかることがあります。

入学前に、長期履修制度の有無と、3年目以降に在籍する場合の費用まで確認しておくと安心です。詳しくは記事後半のよくある質問でも紹介しています。

通信制大学院の学費の負担を抑える方法|奨学金・授業料後払い制度など

学費が負担になりそうな場合は、利用できる制度がないか確認してみましょう。代表的なものを紹介します。

奨学金を利用する

大学院生でも、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を利用できる場合があります。

2026年度の大学院向け第一種奨学金(無利子の貸与型)では、修士課程相当の場合、月額5万円または8万8,000円から選択できます。このほか有利子の第二種奨学金もありますが、いずれも申込資格や選考があります。

貸与型の奨学金は原則として返還が必要です。利用する場合は、修了後の返還計画まで考えて検討しましょう。

なお、通信教育課程(通信制)の大学院生は、申込資格や利用できる制度が通学課程と異なる場合があります。志望する大学院で利用できるかどうか、事前に大学院やJASSOに確認しておくと確実です。

出典:日本学生支援機構「大学院での申込資格・申込基準」

授業料後払い制度を利用する

大学院修士段階では、「授業料後払い制度」を利用できる場合があります。在学中の授業料相当額について支援を受け、大学院修了後に所得などに応じてJASSOへ返還していく制度です。

支援対象授業料の上限は、2026年度時点で年間次のとおりです。

  • 国公立:最大53万5,800円
  • 私立:最大77万6,000円

給付ではなく、修了後に返還が必要な制度です。利用条件も定められており、通信制の場合は対象となるかどうかも含めて、JASSOや進学予定の大学院で最新情報を確認してください。

出典:日本学生支援機構「授業料後払い制度」

教育訓練給付制度を確認する

社会人の場合は、「教育訓練給付制度」を利用できる可能性があります。厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。

専門実践教育訓練では、一定の条件を満たすと教育訓練経費の50%が支給されます。資格取得や就職などの条件を満たした場合は70%、さらに賃金上昇などの条件を満たした場合は最大80%まで支給されます。

ただし、通信制大学院に進学すれば必ず利用できるわけではありません。受講する課程が厚生労働大臣の指定を受けていることと、本人が受給要件を満たしていることが必要です。

出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」

通信制大学院独自の支援制度を確認する

通信制大学院によっては、独自の奨学金や学費減免制度を設けている場合があります。志望する大学院の公式サイトや募集要項もチェックしてみてください。

勤務先の支援制度を確認する

社会人の場合は、勤務先に大学院進学を支援する制度がないか確認するのもひとつの方法です。企業によっては、次のような制度を用意している場合があります。

  • 自己啓発支援
  • 資格取得支援
  • リスキリング支援
  • 大学院進学支援

今の仕事と関連する分野を研究する場合は、特に利用できる可能性があります。

学費だけで選ばないことも大切

学費の安さだけで進学先を決めると、入学後に「やりたかった研究と違った」「仕事との両立が難しかった」と感じることがあります。学費とあわせて、次の3点も比べておきましょう。

学びたい研究分野があるか

同じ「教育」「心理」「福祉」などの分野でも、大学院や教員によって研究テーマは異なります。

指導を受けたい教員がいるか

公式サイトで、教員の専門分野や研究実績、過去の修士論文のテーマを確認してみましょう。

働きながら学び続けられるか

通信制でも、レポート作成や文献調査、論文執筆には相応の時間がかかります。研究指導の時間やスクーリングの頻度を確認し、自分の生活と両立できるかを考えておくことが大切です。

【通信制大学院の一覧を見る】

banner (13)

通信制大学院の学費に関するよくある質問

ここからは、「進路相談LINE 進路の神様」に実際に寄せられたご相談から、よくある質問を抜粋して紹介します。

学費に関わる制度は専門的なものが多く、新しい制度ができることもあります。こちらはあくまで参考として、入学前には必ず通信制大学院に直接確認してくださいね。

分割払いや分納はできますか?

学費を分割して支払えるかどうかは、通信制大学院によって異なります。前期・後期などに分けて納入できる大学院もあれば、一括納入が基本の大学院もあります。入学金や入学時の納入金は分納できない場合もあります。

まとまった学費を一度に支払うのが難しい場合は、出願前に募集要項の「学費」「納入方法」の項目を確認しておきましょう。

通信制大学院を休学した場合も学費はかかりますか?

休学中の費用は大学院によって異なります。授業料が免除される代わりに「在籍料」などが必要になる場合もあれば、休学する時期によって学費の扱いが変わるケースもあります。

仕事や家庭の事情で休学する可能性がある場合は、入学前に休学制度とあわせて確認しておくと安心です。

2年間で修了できなかった場合は追加の費用が必要ですか?

標準修業年限を超えて在籍する場合は、追加の授業料や在籍料などが必要になることがあります。修士論文の作成や研究が予定より長引くと、3年目以降も在籍することになるかもしれません。

学費を比較するときは、2年間で修了した場合の総額に加えて、修了が延びた場合の費用も確認しておきましょう。

長期履修制度を利用すると費用は高くなりますか?

長期履修制度の学費の仕組みは、大学院によって異なります。通常2年間で支払う学費を3年間などに分けて納める制度もあれば、在籍期間が長くなる分、追加の費用がかかる場合もあります。

奨学金にも注意が必要です。JASSOの第一種奨学金や授業料後払い制度は、原則として標準修業年限までが支援期間となるため、長期履修期間のすべてが対象になるとは限りません。

長期履修を考えている場合は、年間の学費だけでなく、修了までに支払う総額と利用できる支援制度をあわせて確認しておくと安心です。

入学前に学費以外で準備しておいた方がよい費用はありますか?

通信制大学院では、授業料以外にも次のような費用が必要になることがあります。

  • パソコンやインターネット環境
  • 教科書や参考文献
  • スクーリングの交通費や宿泊費
  • 研究に必要な書籍や資料
  • 学会への参加費
  • 修士論文の印刷や製本費

スクーリング費が授業料に含まれていても、交通費や宿泊費、教材費は自己負担という大学院もあります。遠方の大学院を選ぶ場合は特に、授業料以外の費用も含めて予算を考えておきましょう。

入学後に急に支払いが難しくなった場合、利用できる制度はありますか?

家計状況が大きく変化した場合は、奨学金などを利用できる可能性があります。JASSOでは、本人または配偶者の失職などで家計が急変した場合、条件を満たせば緊急採用・応急採用の貸与型奨学金に申し込めることがあります。

大学独自の奨学金や学費の相談制度が設けられている場合もあるので、支払いが難しくなったときは、すぐに退学を考えるのではなく、まず大学院の学生支援窓口に相談してみてください。

まとめ|学費と学び方を比較して自分に合う通信制大学院を探そう

通信制大学院の学費は、大学院や研究科によって大きく異なります。

比較するときは、年間の授業料だけを見るのではなく、入学から修了までの計画を立て、総額でどのくらいかかるかを確認することが大切です。あわせて、学べる分野やスクーリングの有無、研究指導の体制など、各大学院の特徴も比べてみましょう。

具体的な進学先を探したい方は、通信制大学院の一覧から気になる大学院を比較してみてください。

【通信制大学院の一覧を見る】

banner (13)

この記事を書いた人

進路アドバイザー ナガサキ(株式会社イーパス所属)

なるには進学サイトで9年以上にわたり進路相談を担当。2017年10月にLINEでの進路相談「進路の神様」を立ち上げ、高校生から社会人まで幅広い相談に対応している。近年は、社会人の学び直しや通信制大学・通信制大学院への進学に関する相談も多く受けている。LINE「進路の神様」の友だち登録数は、2026年1月に13,000人を突破。

通信制大学や専門学校についても、お気軽にご質問ください!