公立・私立の通信制高校の特色や選び方のポイントとは

通信制高校の特色とは

高等学校には、全日制、定時制とともに通信制という教育課程があります。3年間以上在籍して単位を修得することによって高等学校卒業資格を取得することができます。通信制高校の教育課程は、全日制や定時制とは異なり一斉授業の形態ではなく一人一人のペースに合わせて自ら主体的に学習することができるスタイルです。人間関係や集団生活になじめずに高校を中退してしまった人、経済的な理由などの家庭事情により高校進学ができなかった人など、さまざまな人が活用しています。最近では、芸術活動や芸能活動、スポーツ活動などを優先するために敢えて通信制を選択する人もいます。
全日制や定時制においては出席日数が卒業に大きく関わるものであり、昼間や夜間に学校へ登校して授業を受けること自体に重点が置かれていると言えるでしょう。通信制では、毎日登校する必要はなく週に登校する日数を選択したり、集中的な合宿にスクーリングのような形で参加したりすることによって授業の一部を受けることができます。授業カリキュラムについては、全日制では1日5時間から8時間、定時制では1日4時間程度が組まれていますが、通信制では、レポートの提出と試験に合格することで単位を取得することができます。登校はスクーリングが設定されている日のみとなるので毎日学校に出向いて授業を受けなくてはならないというストレスはありません。
全日制や定時制では4月に入学して3月に卒業するのが一般的ですが、通信制では2学期制や単位制を採用している学校が多く、4月、10月に入学を受け入れることがほとんどです。学校によっては入学や編入を随時受け付けているところもあります。レポート、スクーリング、テストが主な学習カリキュラムとなり、最短3年で卒業することができますが、仕事との両立や病気療養中の学習によって、10年以上かけて卒業する方もいます。

通信制高校

公立・私立の通信制高校の違い

全日制と同じように通信制高校にも公立と私立があります。授業料に差があることはイメージできますが、そのほかにどんな違いがあるのでしょうか。学費の面では、イメージ通り私立に比べると公立の方が安くなっています。そのため卒業までの学費を考えると、公立と私立ではかなり差が生じることになります。また、私立の場合は、入学金のほかに教材費や施設設備費なども上乗せされるためそれ以上に費用がかかることになるでしょう。
通信制の学習は、自己管理や自己責任のもとに自ら自主的に行わなければならないものです。自宅で怠けることなく地道に努力することが強く求められるもので、スクーリングで教師に質問できる機会も多くはありません。特に公立は自主性に任せる傾向が強く、一部の私立のように小学校の学習レベルまで戻って学び直しをするようなきめ細かな指導はあまり期待することができないでしょう。

通信制の課程を選択する生徒のなかには、過去にいじめや不登校などの経験があって心に深い傷を負っている者もいます。学習指導とは別に心のケアが必要となることがありますが、私立ではカウンセラーなどを設置してメンタルサポートに重点を置いている学校もあります。また、提携しているサポート校を活用することで発達障害や学習障害などの問題の解消に努めている学校も増えているようです。公立でも全くサポートがないわけではありませんが、納める学費が高い分私立の方が手厚いサポートを受けることができるところが多くなっています。

 

通信制高校を選ぶポイントとは

通信制高校を選ぶ際には、学費によって私立か公立かを決める以外にもさまざま選択のポイントがあります。通信制には通学できる区域によって、全国もしくは3つ以上の都道府県から生徒を募集対象とする「広域」と高校所在地と1つの都道府県の生徒のみを募集対象とする「狭域」の2つがあります。
私立では、学校所在地とは別の会場でスクーリングを実施しているところもあり、広域通信制を導入しているところが多いです。学校に登校する日数が少ないといっても年間20日程度のスクーリングは最低必要となるため、通学に難のない学校を選ぶのも大切なポイントとなるでしょう。

通信制の大きな特徴として、サポート校の存在があります。サポート校は、忙しい仕事やメンタル面の悩みなどで途中で挫折しそうになる生徒に学習面や生活面、精神面でサポートすることの目的としている民間の教育施設です。サポート校だけの活用では卒業資格を得ることはできませんが、高校とは別な居場所があることで心の安定も図れるというメリットもあります。

通信制では、全日制以上に多種多様な学科やコースが設けられている学校もあります。上級学校への進学を目指すためのコースや美容・調理などの専門科目を学ぶためのコースなどもあり、就職するための資格取得に役立つものも数多くあります。将来のためになんらかの目的をもって学ぶことになるため、通信制を卒業した後の進路に応じたコースや学科を選ぶことが大切です。最近では、働き方と同様に学び方も多様化しており、ライフスタイルに合わせて積極的に通信制高校を選択する人も増えています。”